中日大野雄大投手(30)が7回3安打1失点(自責点0)の好投で、完全復活をアピールした。

19日のオリックス戦に先発。初回に2番西浦から外角低めの直球で見逃し三振を奪うなど、制球が安定していた。最速は140キロ台後半で、ストレートにキレがあった。オフに磨いてきたチェンジアップも手応え十分。球数は84球。理想的な投球だった。「良かったと思う。課題にしていた低めの直球が良かった。チェンジアップもよかった。7回を少ない数で投げられた」。前向きな言葉が次々と飛び出した。

心と体の両面で復調を感じさせた。15年に11勝を挙げ、翌年には開幕投手も務めた。しかし、ここから下り坂に入った。昨年は7年ぶりの未勝利。「また打たれるんちゃうか」「次のゲームをしっかり投げられるのか」とネガティブな考えに陥った。そこに、与田監督の言葉が心に響いた。「信頼しているから」。自分の本来の姿を見つめ直した。「持ち味はあまり考えないこと、だったはず…。マイナスに考えない」。3回に捕手加藤の捕逸で1点を失ったが、気持ちを切り替えた。「盗塁を2つも刺してくれてありがたい。引きずることなく、いけた」。前向きな言葉が並んだ。

開幕投手は笠原に決定。大野雄は4月2日、広島との本拠地開幕戦を任されることが濃厚だ。「心と体の調整がガッチリとはまった試合。開幕した後も続けたい」。左腕が復活すれば、これ以上ない「戦力補強」になる。先発ローテーションに、心強い2本の柱ができた。【田口真一郎】