エースの穴を「ショート・スターター」で埋める。楽天平石洋介監督(38)が柔軟な投手起用法を用意していることを示した。

24日の中日戦後「毎回は考えていないですけど、2人で先発の役割をしてもらう。何人かでその役割をしてもらう。戦略の1つとして、なくはないです」と話した。先発投手に打者一巡する3回を任せ、4イニング目から第2先発に継投。再び打者一巡程度を託し、勝ちパターン継投につなぐ。

中継ぎに手応えがあるからこその一手だ。守護神松井、セットアッパーにハーマン、宋、高梨、青山、福山、森原と充実の布陣。ブルペン担当の森山投手コーチも「全員接戦で投げさせられる。ビハインドの場面で誰を行くか悩む」とうれしい悲鳴を漏らすほど。2人の“先発”が短い回数を重ねて5イニングでも抑えれば、勝利の方程式に持ち込むことができる。

人材をフル活用する場にもつながる。開幕ローテ6枚目が確定的なドラフト4位弓削隼人投手(24=SUBARU)は「社会人の時も結果を出さないと退部になる。そういう環境でやってきたのでプロでも大丈夫」と意気込むが、プロのシーズンは未経験。疲労がたまる中盤戦以降に「ショート・スターター」を導入し、第2先発で経験豊富な戸村や釜田、力投型の菅原らを配置する可能性もある。

今季から1軍登録枠は1増の29人。平石監督は「最初は投手の方を多めに考えようかなと思っています」と明言。右肘クリーニング手術で離脱した則本の穴を全員で補っていく。【島根純】