阪神がまたも拙攻拙守で王者広島に完敗した。2回2死一、三塁。投手床田の打球は一塁正面へ。だが、どん詰まりではずんで一塁中谷が捕球できず。

適時失策を犯すと、一塁送球にあわてて悪送球…。ダブルエラーを犯してしまった。攻守交代のはずが、みすみす先取点を献上。前夜の逆転勝ちの気勢はそがれた。

前日5日に代打逆転アーチを架けた中谷を一塁で今季初先発の用兵も実らず、矢野監督は「あれが(気持ちの)引いたプレーだったら俺もちょっとどうかなと思うけどね。俺の責任の部分はある。でも、マサヒロは、あれをアウトにできるようにやっていかなアカンと思う」と振り返った。2点差に迫った中盤は救援陣がつかまり、この日は4被弾。またも大量10失点で、今週は5戦で37失点と投手陣が本領を発揮できない。

打線も振るわず「初物」に連敗だ。この日は今季初めて近本を1番に起用。4戦連続で打線改造したが、緩急差で勝負する左腕床田を打ち崩せない。指揮官も「ちょっとこっちも、もうちょっと何かこう、なんていうのかなあ…。点を取れた感じはあった」と首をかしげた。4日巨人戦の新人高橋に続いて、またも初対決の投手に白星を許した。

チーム打率1割9分8厘だけでなく、チーム防御率4・89もリーグ最下位に転落。試合後は投手と野手を集めた緊急ミーティングを行った。指揮官は「俺が気づいたことをみんなに伝えさせてもらって、別に今日負けたことは取り返せないので、これから勝てるようにとか、もっと良くなるようにという話」と危機感をにじませた。【酒井俊作】

 

◆阪神久慈内野守備走塁コーチ(中谷のダブル失策について)「(捕球ミスして)その後の送球で間に合わないなら投げなくていい。エラーが出ると、流れがなかなかね…」