日本ハムのドラフト1位、吉田輝星投手(18)がプロ初登板初先発で初勝利を飾った。高卒ルーキーの初登板初勝利はドラフト制以降、2015年の楽天安楽以来4年ぶり19人目の快挙となった。

家族にもプロ初勝利を届けられた。札幌ドームに秋田から両親、祖父母らが駆けつけて観戦した。父正樹さん(43)は、ホッとした表情で「うれしかったです。5回が終わった時に(こみ上げるものが)ありました。ひと言、おめでとうですね」と息子を祝福した。

父には忘れられない瞬間がある。2年前の夏。秋田大会決勝で、当時2年生だった息子が先発、敗れて甲子園出場を逃した時だ。「あの時は、もう全然口を開かなかった。こいつ、このまま野球を辞めるんじゃないかと思うくらいの雰囲気を出していました。あそこで立ち直れていないと、どうなっていただろうな」と当時を振り返る。

それでも、どん底から、はい上がった姿を見てきた。2年の冬は死に物狂いで練習していた日々が鮮明に残る。「あの負けというのはすごく大きいですよね。今に至るまで」。昨夏の快進撃につながる雌伏の時も見守り続け、最高峰の舞台で輝く瞬間も立ち会えた。息子がプレゼントを約束したウイニングボールは「本当に届くんですかね。そう言ってもらえて、うれしいです。一ファンとして、今後も見ていきたいです」。成長した姿に目を細めた。