ソフトバンクや米大リーグで活躍した川崎宗則氏(38)が、台湾プロ野球(CPBL)に復帰する味全と選手兼コーチとして仮契約を結び、現役復帰したことが13日、分かった。所属事務所が発表した。

味全とは8月中に本契約を結び、同17日から台湾・台中の斗六野球場で行われるキャンプに参加する。チームは今秋予定されるキューバ代表、アデレートド・バイト(オーストラリア)との交流試合を戦った後は、11月下旬からアジア・ウインターリーグに出場する。同リーグは例年日本野球機構(NPB)からウエスタン選抜、イースタン選抜が出場しており、川崎氏との対戦もありそうだ。

川崎氏は18年3月に体調不良でソフトバンクを退団。その際に、王球団会長は「体調を戻して、若い人にチャレンジするすばらしさを伝え、野球に夢中にさせてほしい」と球界復帰を願っていた。当初、本人は「野球から距離を置く。環境を変えて、じっくりと心と体の回復につとめる」とコメントしていたが、昨年中に福岡市内で練習を再開するなど順調に回復していた。

川崎氏は所属事務所を通じてコメントを発表し、「休養期間もサポートしてくれた、家族、友人、スタッフに感謝します。いつも気に掛けてくださった王会長並びに、ソフトバンクホークス球団関係者、球友の皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです」などとつづった。

味全は99年にCPBLを脱退し、今年6月に復帰が決まった。来年は2軍でスタートし、1軍には21年から参戦する。川崎氏は「台湾という新たな土地ゼロからスタートするわけですが、野球を楽しむということを忘れずに、全力でプレーしていきたい」と抱負も語り、代名詞の「明るいプレー」を再び期待できそうだ。

川崎氏は00年にダイエー(現ソフトバンク)入りし、03年から1軍に定着した。06、09年にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表として2連覇に貢献。12年に米国に渡り、大リーグ3球団でプレー。陽気なキャラクターで人気を博した。17年開幕後にソフトバンクに復帰し、同4月に1軍戦出場。だが同7月にアキレス腱(けん)の痛みなどで出場選手登録を外れると、そのまま1軍復帰することなくシーズンを終えた。18年も球団は保留選手名簿に載せ、契約更新を探っていたが、開幕前に退団が決まっていた。