えっ筒香が2番!? DeNAアレックス・ラミレス監督(44)が14日、主砲の筒香嘉智外野手をプロ初の2番で起用するプランを披露した。

ベイスターズ球場で行われた全体練習前、報道陣に後半戦に向けての秘策を明かした。今日15日広島戦(横浜)から後半戦がスタート。同監督は当日まで検討するとしたが、サプライズのオーダーが発表されるかもしれない。

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ラミレス監督は、筒香について問われると「彼にはもちろん期待しているけれど、彼は得点圏打率が良くない。それに比べて、出塁率は高い数字。全体的な成績を見れば、全く悪い数字ではないが、彼のモチベーションを上げるためにも、打順を変えようかなと思っている。2番か3番。もう1日、数字を調べて、明日の朝までに結論を出したいと思う」と今日から始まる後半戦に向けて、驚きのプランを明かした。

筒香は今季出場した全78試合で「4番左翼」で先発出場してきた。打率2割8分4厘、17本塁打、43打点。出塁率はリーグ4位の4割5厘と高い数字を残す一方で、得点圏打率はリーグ20位の2割3分4厘と低迷している。同監督は「今まで4番の重責もあったと思う。3番に変わったとしても、4番と近いものがある。例えば彼を2番に置けば、得点圏で打席に入るより、リラックスして入れる。2番だとしたら、彼にとって、いい風にいくのかなと思う」と思いやりの打順変更だとした。

前半最終の10日ヤクルト戦(神宮)で、筒香本人に打診した。ラミレス監督は「もちろん彼は『それはやめてください』、『ぜひお願いします』とかは言わない。『監督の言ったことに対して、自分の役割を果たしたい』というリアクションだった。もちろん抵抗感は示していない」と軽くジョークも交えた。

近年メジャーでは「2番最強説」が唱えられ、4番ではなく2番に強打者を置くチームが増えた。エンゼルス・トラウトが有名だが、国内でも巨人は今季、坂本勇、丸を2番に起用。筒香は昨季4番以外に3番、さらには1番でも2試合に出場したが「2番筒香」が実現すればプロ初となる。

球宴出場した筒香は休養日だった。日頃から「チームの勝利のために自分の仕事を果たす」と献身的な姿勢を示す。主砲であり、主将。後半戦開幕、筒香の名前は、ラインアップのどこに入るか-。【栗田尚樹】

◆筒香の打順 2、8、9番は経験がない。CS進出の望みが残されていた昨年10月7日広島戦、同9日ヤクルト戦ではプロ初の1番で起用され、広島戦では3四球と適時二塁打で4出塁をマークした。15年以降の最近5年は1番の2試合以外、3、4番しか打っていない。

◆強打の2番打者 99、00年に主に2番を打った小笠原(日本ハム)は2年連続で25本塁打以上を打ったが犠打は1つもなかった。06年リグス(ヤクルト)は2番打者で史上最多の37本を記録。近年は各球団でも2番に強打者を置くケースが増えており、17年ペゲーロ(楽天)が23本、18年ソト(DeNA)が20本を2番でマークした。今年もソトの他に坂本勇、丸(巨人)大田(日本ハム)などが起用されている。