先制パンチで、首位をスイープだ。日本ハム西川遥輝外野手(27)が、ソフトバンク14回戦(北九州)の1回、5月4日ロッテ戦(ZOZOマリン)以来となる今季2本目の先頭打者アーチを夜空に描いた。小雨が降る中で始まった試合。13日の球宴でも、雨傘を差すパフォーマンスで観客の心を捉えたばかりだが、またしても悪天候の中で輝いた。チームは首位ソフトバンクに3連勝で、4ゲーム差に急接近。後半戦は最高のスタートを切った。

  ◇    ◇    ◇

「水も滴るイイ男」は、雨の日にこそ強いのか!? 西川が雨の中で最高のパフォーマンスを演じた。試合開始直後の1回。2-2から2球粘って7球目だった。スアレスが投じたど真ん中のフォークボールを、しっかりと捉えた。

西川 久しぶりにバットにボールが当たったなという感触だった。(対戦数が少なく)『わかんないな~』と思ったけど、ファウルを打っているうちに、ちょっとずつ合ったんじゃないですか?

雨粒を払いながら、打球は敵地ファンで埋まった右翼席中段へ、真っすぐに飛んで行った。

開幕直後は絶好調だったが、7月の月間打率は2割5厘と苦しんでいる。「交流戦明けから、全然(状態が)良くなかった」とバットは湿りがちだったが、ようやく復調気配だ。

13日、甲子園で行われたオールスターも雨だった。外野の守備位置に向かう際、折りたたみ傘をさすパフォーマンスでスタンドを沸かせた。5月18日ソフトバンク戦(熊本)で、中断中にファンから傘を借りて“雨宿り”したことが由来。「ぬれると力が出ないタイプやねん」と冗談を飛ばすが、ずぶぬれになったはずの球宴では4打数3安打と大活躍だった。

球宴では多くのスターと触れ合い、気分一新。「秋山さん(西武)は野球好きだなって思いましたね。(いろいろな選手と)野球のことばっかり話してました。俺には、無理」と苦笑いするが、西川にしかない魅力はもちろんある。小雨だったこの日はナイターで気温27度、90%近い湿度。「傘とか…もう暑すぎて無理」と断念したが、気分良く首位ソフトバンクに3連勝。試合後「暑い」を繰り返した背番号7の声は、言葉とは裏腹に弾んでいた。【中島宙恵】