最高の2番…、いや、エンターテイナーが躍動した。ロッテの新外国人レオネス・マーティン外野手(31)が決勝2ランを含む2安打3打点の大暴れした。

幕張の夜空にでっかい花火をぶち上げた。同点の8回2死一塁。着火剤は楽天森原の外角高めに抜けたフォークだった。振り抜いて点火させると、風速8メートルの風を切り裂いて左中間席へ放り込んだ。「レアードと話して投手の特徴を教えてもらった。2日の短い間でいいコミュニケーションが出来たよ」と“すしボーイ”に積極的に助言を仰ぎ、見事な1発。出場2試合目の来日初アーチはファン総立ちの決勝弾だった。

一挙手一投足で球場を盛り上げまくった。まずは5回の右翼守備。楽天茂木の正面に来たライナー性の打球をまさかのポロリ。「スピンもかかって、風もあって…びっくりしてしまった」。それでも、めげなかった。失策から3点を奪われた後の2死二塁。和田の右前打を捕球すると、小さなテークバックで本塁へノーバウンド送球。走者を刺して追加点を防いだ。「17歳の時にセンターから投げて、98マイル(約158キロ)を出したよ」という強肩でミスを取り返した。

ファンの心をつかむと、勢いにのるだけ。6回には来日初安打となる適時打も放ち「マーティン」コールを受け続けた。7回攻撃前の花火大会など日本特有の文化も「アメリカは早く試合を進めようとするから、演出が短い。日本はファンを楽しませようとやっているから好きだな」と堪能した。でも、最も沸かせたのは自身のプレー。楽しませて、魅せる男がロッテにやってきた。【島根純】