ソフトバンクが2位西武との直接対決で逆転勝ちを収め、再びゲーム差を5に広げた。

1点を追う7回、代走で登場した周東佑京内野手(23)が今季20個目の盗塁を決めて突破口。松田宣の同点打、明石の勝ち越し打を呼び込んだ。京セラドーム大阪で「鷹の祭典」として戦う19日の3戦目も勝てば、最短20日にも優勝マジック24が点灯する。

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ソフトバンクが2位西武との直接対決を逆転で制し、再びゲーム差を5に広げた。陰のヒーローは周東佑京内野手(23)だ。

1点を追う7回、工藤監督が勝負に出た。1死から4番グラシアルが死球で出ると迷わずカードを切った。相手も味方も、球場にいる誰もが「走る」とわかっている。それでも4球目のスライダーに完璧なスタートを切り、二盗を決めた。

「(厳しい場面での盗塁は)だいぶ慣れてきましたね。真っすぐでも、キャッチャーと勝負すればいいと思っていた。何球か見て、いけるなと思いました」。再三のけん制をかいくぐって相手を揺さぶり、続く松田宣の同点打、明石の勝ち越し打を呼び込んだ。

2年目の20盗塁は、球団では現内野守備走塁コーチの07年本多以来で、育成出身選手では球団初の快挙。企図24回で失敗は4回だけ。相手に脅威の成功率は驚異の8割3分3厘を誇る。

盗塁成功のカギは「50%くらい」スライディングが占めるという。「近く、強く」滑り込むことを意識。「地面に触れる面積が増えるとスピードが落ちる。膝から下しか地面に触れない」ことが成功の極意だ。「プロに入った時はめっちゃ下手だった」が、昨年2軍で井出外野守備走塁コーチと改良。勢いある滑りは「アウトのタイミングでもセーフと言ってもらえる」と大きな武器になっている。

工藤監督は「今日勝てたのは大きかった」とうなずいた。最短20日にも優勝マジック24が点灯。3年連続日本一へカウントダウンが迫ってきた。【山本大地】