主砲が緊急昇格する。24日、右手痛の影響で登録を抹消されている日本ハム中田翔内野手(30)が、25日オリックス戦(京セラドーム大阪)から1軍に復帰することが決まった。この日はイースタン・リーグDeNA戦(鎌ケ谷)に出場。第1打席に中前打を放ち、2打数1安打だった。13日の離脱後、チームは3勝6敗1分けと苦しんでいただけに、主将の戦列復帰は明るい材料となる。また、背中の痛みで同じく2軍調整していた杉谷拳士内野手(28)も1軍に合流する。

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実戦復帰したばかりの中田は慌ただしかった。2軍DeNA戦で2打席を終えて途中交代すると、すぐさま球場から引き揚げた。「時間が本当にないから。今日中に(大阪へ)入らないと、明日デーゲームだから」。25日からの1軍昇格が決まり、足早に千葉・鎌ケ谷を離れた。

緊急昇格だ。当初は週明け27日からの西武3連戦(釧路、帯広)で1軍復帰する可能性があるとされていた。「(伝え聞いたのは)今日の(ウオーミング)アップ前だよ」。中田が離脱後、4番に清宮を据えたチームは3勝6敗1分け。苦しむ現状を打破するため、この日の2軍戦出場を前に、首脳陣は決断した。

13日に右手母指球部挫傷と診断された患部は、「(痛みが)全くないね。大丈夫」。1回2死一塁の第1打席は、カウント2ー2から、DeNA京山の135キロ変化球を中前に運んだ。4回は三振に倒れたが、12日ぶりの実戦で2打数1安打。「思ったよりしっかりボールが見えましたし、思った以上にバットも振れてよかった」と、手応えを口にした。

離脱はしたが、23本塁打、69打点はどちらもチームトップ。背中の痛みが癒え、中田と一緒に昇格する杉谷も「体も大丈夫だし、明日からとにかく元気に頑張ります」。残り26試合。チームを上位へ押し上げるために、欠かせない2つのピースが1軍に戻る。【山崎純一】