阪神が、5年契約最終年の鳥谷敬内野手(38)と近日中に「去就会談」を行う方針であることが26日、分かった。今季は代打中心で打率2割1分1厘。前日25日ヤクルト戦に出場した試合後、今季最後の神宮でのプレーを問われ「自分もこれが最後になるかもしれない…」と発言していた。この日、谷本修球団副社長兼球団本部長は「どこかで話を…」と言及し、鳥谷と会談する考えを明かした。電鉄本社と球団間も意見調整し、方向性を統一する。

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レジェンドの「意味深発言」から一夜明けて、阪神谷本球団副社長兼球団本部長が重く受け止めた。都内のNPBでの事務折衝後に「ああいうコメントを本人が発したのは、正直な気持ちだと思う」と話した。前日25日ヤクルト戦。代打で遊撃内野安打を放ったほか二塁に激走も見せた試合後だ。早大時代の主戦場の神宮での今季最終戦。ファンへの思いを問われると率直な心境を明かしていた。

「自分もこれが最後(の神宮)になるかもしれないので、いい打席だったと思います」

今季は5年契約の最終年だが先発出場はわずか8試合。代打中心の55戦出場で打率2割1分1厘にとどまる。本塁打と打点はともに「0」で試行錯誤が続く。プロ16年目で38歳。チームは逆転CS進出に向かって必死に戦い、鳥谷も戦力として日々最善を尽くす。谷本球団副社長は「来季の話は正直まだですね。考えてないと言えば変な言い方ですけど。いまは残るシーズンに、お互いに集中している段階。来季うんぬんの話はいま、すべきではないと思ってます」と説明した。

これまで来季の去就に関する話し合いは行っていなかったという。だが、前夜の発言を受けて「しかるべきタイミングで。どこかで話をしてもいいなと思っています」と言及。「あれだけの選手なので。丁寧にやっていかなアカンと思ってます」とも話した。通算2082安打は球団最多。長年、チームを支える功労者に配慮し、近日中にも今後に関する「去就会談」の場を設ける考えを示唆した。

谷本副社長は「現時点では何も決まってません」と強調する。今週以降、本社と球団間でも今後の方向性について急ピッチで意思統一を図っていく。遊撃での連続フルイニング出場、WBCでの鮮やかな盗塁、名球会入り…。ファンから絶大な人気を誇る鉄人の行く末に注目が集まる。