ミラクル・ベイスターズだ! DeNAが7点差を追いつき、延長11回にサヨナラ勝利を飾った。梶谷隆幸外野手(31)が4点差に詰め寄った6回に、同点の代打満塁本塁打。1点を勝ち越された直後の8回にも同点二塁打をマークした。最後はネフタリ・ソト内野手(30)のこの試合2発目となる42号3ランで大逆転を決めた。直接対決3試合を残す首位巨人と、再び3ゲーム差。20日から天王山の2連戦に臨む。

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0-7。5回終了時で、7点ビハインドだった。6回。ハマっ子たちは、奇跡の目撃者となった。ソトの3ランで4点差とし、なお1死満塁。代打梶谷だ。広島2番手・九里の4球目、カーブをかちあげた打球は、グングンと伸び、大歓声を浴びながら、右中間スタンド中段へ着弾した。0-7から7-7。ハマスタが揺れた。ベイスターズ好きなら誰もが知っているtvkの吉井祥博アナも、記者席で思わず「うぉ~」と叫んだ。

奇跡的な代打満塁弾は、今季チーム3本目だ。梶谷自身が「ないですね」と言う人生初の1発。4月4日ヤクルト戦(神宮)の佐野、6月9日西武戦(横浜)の楠本以来だ。「確かにベンチの雰囲気は暗かった」という劣勢を一転させ、プロ13年間で積み上げた通算100号を、最高の形で彩った。

狙っていた。今季35試合目の出場。先発では17試合にとどまっていた。代打中心の生活の中で、ベンチで考える時間が増えた。「自分だったら、こういう風に対応するなとか」と最善の準備に努める。この場面。「好きなところ、思い描いていた球種が来たら。体が勝手に反応して」と確実に仕留めた。さらに1点を勝ち越された直後の8回には、フランスアの初球を捉え、同点二塁打を決めた。

チーム一丸でミラクル勝利をもぎ取った。試合前からベンチ裏、ロッカーでは「今日のこの試合は、絶対に取ろう。絶対に勝つ」という声であふれ返っていたという。延長11回には、ソトのこの試合2発目となるサヨナラ3ラン。ラミレス監督も「見たことのない試合。なかなかない」と興奮するしかなかった。20日からは、首位巨人を迎えての2連戦。ミラクル・ベイスターズだからこそ、奇跡の逆転Vが、起きるかもしれない。【栗田尚樹】