広島佐々岡真司投手コーチ(52)が4日、来季監督に指名された。マツダスタジアムを訪れ、鈴木球団本部長と会談。「来季監督をやってもらえないか」と要請された。「前向きに考えています」と話し、改めて正式に受諾の意思を伝えるとみられる。

1日に緒方監督が退任を発表して以来、次期監督選びはスピード決着することになった。

佐々岡コーチは現役時代の91年、先発として240イニングを投げ、17勝9敗、防御率2・44をマーク。最多勝利投手、最優秀防御率のタイトルを獲得し、MVP、沢村賞に輝いた。先発、リリーフと役割を変えながら、100勝100セーブをマーク。指導者になってからは「ちぎっては投げ」の昭和の野球と、酷使しない現代野球を融合。選手に寄り添いながら、今季防御率は昨年の4・12から3・68に良化させた。

佐々岡コーチの強みは、チームの課題をわかっていること。投手陣ではリリーフ陣を整備できなかった。中崎、フランスアの不調で抑えに不安を抱え「勝利の方程式」も固まらなかった。野手陣は総得点が昨年の721点から591点に激減。打撃部門担当コーチ、2軍と協力しながら、育成と勝利という難しいテーマに挑むことになる。広島が新しい時代に突入する。

◆佐々岡真司(ささおか・しんじ)1967年(昭42)8月26日生まれ、島根県出身。浜田商-NTT中国を経て89年ドラフト1位で広島入団。1年目から13勝17セーブと活躍。2年目の91年に17勝を挙げMVP、沢村賞など投手タイトルを獲得。07年現役引退。通算570試合、138勝153敗106セーブ、防御率3・58。15年から広島の2軍投手コーチを務め、今季から1軍担当。現役時代は185センチ、90キロ。右投げ右打ち。