広島佐々岡真司新監督(52)が秋季練習休日の13日、広島・廿日市市の2軍大野練習場を電撃視察した。

今季期待に応えられなかった中崎翔太投手(27)一岡竜司投手(28)のブルペン投球に、熱視線を注いだ。リリーフ陣の競争主義を打ちだしつつ、V奪回になくてはならない2人の復活を熱望。一体感をもって戦う佐々岡イズムで、チームづくりを進めていく。

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黒のTシャツに白のジーンズ。ラフなスタイルで、佐々岡新監督が大野練習場に現れた。マツダスタジアムでの秋季練習は、この日は休み。同練習場で体を動かしていたのは、フェニックス・リーグに参加していない2軍選手や、リハビリを行う3軍選手だった。新監督は関係者と言葉をかわし、1、2軍が一体となって戦う姿勢を示した。そして、ブルペンに向かった。

一岡が投げ始めた。シーズン終盤はコンディショニング不良で出場選手登録を外れ、悔しい思いをしたセットアッパー。来季の完全復活に向け、オフも投球練習を続けている。この日も伸びのある直球に変化球を交え、45球を投げた。

遅れて中崎もブルペンに入った。こちらもクローザーとして開幕を迎えながら、本来の投球ができずに中継ぎに回り、2軍落ちも経験。18年まで3年連続胴上げ投手となった実績にすがることなく、悲壮な決意で復活を目指している。小気味いいテンポから、今オフ最多の80球を投げた。

勝ちゲームの7回以降を締める「勝利の方程式」づくりは、来季の大きなテーマの1つ。佐々岡監督は「競争です。(見方を)フラットにして、秋、春のキャンプで見ていきたい」と競争主義を打ちだした。一方で、今季力を発揮しきれなかった2投手の状態も気になる。「中崎、一岡がいなくなった分、苦しい部分があった。2人の復活というのは不可欠」と期待した。

中崎は「やらなきゃならないのは変わらない。声をかけてもらっているうちにしっかり結果を出したい」と話した。一岡も「もう30(歳)なんで、違ったものを出していきたい」。新指揮官の激励を受けたキーマン2人は、静かに闘志を燃やしていた。【村野森】