黄金の右手で2年連続超大物を引き当てた。ロッテ井口資仁監督が4球団競合の末、大船渡・佐々木朗希を引き当てた。くじ引き後、日本ハム、楽天、西武が確認を終えたが、誰の手も上がらない。3者が井口監督を見つめる中「交渉権獲得」の文字を確認すると強く右拳を突き上げた。「緊張してました。去年藤原を引いてから、プレッシャーをかけられていたのでほっとしています」。興奮からか若干震えていた。

くじを引くまで誰にも話せなかったが、昨晩当たりを確信した。「ドラフトで(当たり)くじを引いた夢を見た。引けるだろうなと思いながら引きました」。会場入り前には、地元の西東京市にある田無神社で参拝し必勝を祈願した。

千葉のエースにとどまらず、日本、世界に羽ばたける逸材。招き入れる準備は万端だ。既存の体制に加え、トレーナー、トレーニング、管理栄養士とそれぞれ1人ずつ専門家を招聘(へい)。これまでと違い、24時間体制で対応可能な専属病院とも提携した。「引かせてもらった分、今度は育てて行かなくちゃいけない。万全なサポートでやっていけると思う」。既に種市、岩下と高卒投手が台頭する環境がある中、さらなるサポート体制を整えた。

「ぜひ千葉を一緒に盛り上げていきましょう」と井口監督。ゴッドハンドに導かれ、また1人、スターが千葉にやってくる。【久永壮真】