12連勝中の本拠地で今年も白星スタートだ。「SMBC日本シリーズ2019」が19日にヤフオクドームで開幕する。前日練習、監督会議が18日に同球場で行われた。

ソフトバンク工藤公康監督(56)は就任以来3度の日本シリーズをすべて制覇。初戦は2勝1分けと無敗を誇る。巨人を撃破すれば、ソフトバンクとして、セ6球団すべてを制覇しての日本一達成となる。

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無類の強さを誇る本拠地で先手を取る-。工藤が決戦を前に、高らかに決意を表明した。「緊張感が増してきました。それと同時に楽しみだなと。今回はホークスの監督としてジャイアンツさんに勝ちたい」。00年に巨人のユニホームを着て、前年まで所属したダイエーを倒し、日本一となった。今度は指揮官として、古巣との日本シリーズに臨む。

初戦必勝のデータがある。ヤフオクドームでの日本シリーズは11年中日との第7戦以来12連勝中。17年DeNAとの第2戦では今宮の神の手ホームインがあった。昨年の広島との第5戦では柳田がバットを折りながらのサヨナラ本塁打。神がかったプレーが飛び出し、工藤監督自身も本拠地8連勝中だ。「大事な初戦」と位置づける第1戦も自身過去3度で2勝1分けと負けなし。3年連続でエース千賀を送り出し、セの覇者を圧倒する。

この日の監督会議で原監督と合意し、予告先発を採用。ソフトバンクにとってメリットは大きい。「早めに情報が入ることでデータをそろえられる。シーズンと同じで戦うことができる」。CSでも相手との相性などを元に、松田宣をスタメンから外したり、内川に代打を送ったり、鬼采配が光った。「自分自身後悔しないように決断したい」。対策への準備時間が増えるのはプラスととらえた。

ソフトバンクが球団を保有してから、日本シリーズで中日、阪神、ヤクルト、DeNA、広島と破ってきた。最後の敵である巨人を倒せば、セ6球団を制しての3年連続日本一が実現する。現役時代には原監督のもとでプレーしたこともある。「見て学びながらやっていきたい。そこにチャレンジしたい。リーグVを逃した悔しい気持ちでファイナルを勝ち抜いた。その思いをぶつけて最後は日本一を勝ち取る」。00年ONシリーズ以来の巨人との決戦で、必ず宙に舞う。【石橋隆雄】