浜風打法でホームラン量産! 阪神が来季新外国人として、大リーグ通算92本塁打のジャスティン・ボア内野手(31=エンゼルスFA)と基本合意したことが27日、分かった。獲得調査開始から5年越しで射止めた左の長距離砲は、逆方向にも打てる怪力と技術が持ち味。来季の4番候補に谷本修球団副社長兼本部長(55)も伝説の助っ人を重ね合わせた。単年契約で、12月上旬にも正式発表される。

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猛虎打線にメジャー屈指の怪力男が加わる。谷本球団副社長は「ジャスティン・ボア。基本合意しました。メディカルチェック(の結果)ももらった。問題ないということで。来月には発表できるのかなと思っています」と明かした。水面下で交渉を続けてきたメジャー通算92本のスラッガーが、来季からタテジマのユニホームに袖を通す。

193センチ、122キロの体格から放たれる放物線は見るものを圧倒する。同球団副社長が体験者だった。米国視察中の15年6月に試合を観戦し、マーリンズの4番だったボアが、右中間の最上段に放つ特大弾を目撃。「そこからずっと、いい選手だなということで追いかけてました」。阪神にとっては、5年越しに恋人を射止めた格好だ。

右翼から左翼に強く吹く浜風が左打者泣かせの甲子園球場も、ボアなら苦にしないかもしれない。「軽く打って反対側に(本塁打を打てるのは)ブラゼルとか、古くはバースとかに似ていますよね。ちょんで入りますからね。たぶん、日本に来たら驚くんじゃないですかね」。切れずに左翼ポール際へ伸びていく打球が打てれば、伝説の助っ人バースのように本塁打量産の可能性もある。

チームにとっても大きなインパクトだ。この日、残留交渉を続けてきたマルテと大筋合意したことも判明した。マイナーを通じて一塁専門のボアとの併用となれば、三塁はマルテ。そうなれば大山、北條らがポジションを失うことになる。二遊間争いにも当然、影響が及ぶ。ボア加入で内野大戦争のゴングが鳴ることは必至だ。

待望の大砲獲得となるが、さらなる外国人補強を虎視眈々(たんたん)と狙う。谷本球団副社長は「可能性は追求したいと思っています。まだ、時間はあるので」と調査続行を宣言。外野を守れる右の大砲、さらには先発、中継ぎと可能性を探る。ジョンソン、ドリスとの交渉難航で霧がかかった虎の助っ人補強だが、4番候補の獲得で光が差してきた。【桝井聡】

◆ジャスティン・ボア(Justin Bour)1988年5月28日生まれ。米ワシントンDC出身。MLB通算92発を誇る左のスラッガー。14年にマーリンズでメジャーデビュー。15年は129試合に出場して23本塁打。17年には25本塁打を記録するなど4シーズン連続2ケタ本塁打。今季はエンゼルスでプレーした。193センチ、122キロ。右投げ左打ち。