元中日立浪和義氏(50=野球評論家)の野球殿堂入りを記念して「立浪和義氏野球殿堂入りを祝う会」が5日、名古屋市内のホテルで約500人が出席して行われた。あいさつに立った立浪氏は影響を受けた2人の監督の名前を挙げた。

1人目は昨年亡くなった星野仙一氏。

「最初の監督だった星野さんは、人間はここまで怒れるのかと初めは思ったが、プロの厳しさ、勝ちへの執念を教わった」

2人目は落合博満氏(野球評論家)。

「落合監督とは最初あまり関係が良くなかった。代打で過ごした最後の3年半は、日々を重ねるごとに監督の考えが分かり、一番野球の勉強をさせてもらった。人間的に最も成長できたのが落合監督の時だった」

それぞれへの感謝の思いを込めてじっくり語った。

会の中のトークショーでは今年まで中日2軍打撃コーチを務めた森野将彦氏(野球評論家)から「また同じユニホームを着て戦いたい」と再登板を期待され、日本代表コーチの井端弘和氏も「立浪さんが早くユニホームを着て一緒にやりたい」と語るなど中日OBからのラブコールが続いた。地元出身の女優竹下景子からは花束を贈呈され、現役時代の登場曲「翼の折れたエンジェル」の中村あゆみによる生歌披露など、各界著名人からも祝福された。

立浪氏は87年にPL学園で春夏連覇を達成。同年のドラフト1位で中日に入団した。ルーキーの88年に新人王、ゴールデングラブ賞を受賞。現役時代は西沢道夫氏、高木守道氏に続く3代目ミスタードラゴンズと称された。09年に引退するまで現役22年間で、2480安打、プロ野球記録の487二塁打を放った。【伊東大介】

○…立浪氏が入団時に担当スカウトだった中日の中田宗男アマスカウトアドバイザーは「36年のスカウト生活で1番の選手。担当した選手での殿堂入りももちろん初めて」と感無量の表情だった。87年ドラフト当時を思い返し「投手か野手かで最後まで検討していたが、ショートが欲しいという現場の声があり迷わず推した。もうこんな選手は出ないと思う」と話していた。

○…元中日監督で日刊スポーツ評論家の山田久志氏が乾杯の音頭を取った。「立浪君の良さは野球に取り組む姿勢をチームリーダーとして全国のファンに見せてくれたこと」。監督時代に4番にも起用した立浪の現役時代をたたえ「近いうちに再度、ドラゴンズのユニホームを着てグラウンドに立つことを願っています」とエールを送った。

【主な出席者】▽野球界=高木守道 張本勲 山田久志 梨田昌孝 桧山進次郎 佐々木主浩 谷繁元信 高橋由伸 与田剛 山本昌 今中慎二 山崎武司 中村紀洋 井上一樹 中村順司 木戸克彦 片岡篤史 野村弘樹 松井稼頭央 宮本慎也 福留孝介 ▽その他=竹下景子 高木ブー 中村あゆみ(順不同、敬称略)