阪神原口文仁捕手(27)が12日、ABCラジオ「伊藤史隆のラジオノオト」に生出演し、大腸がんからの復帰秘話を明かした。

1月8日に人間ドックを受診した際に病気を宣告され、入院後の病理検査でステージ3bだったことが判明。12、13センチほど患部を切除したという。6月に1軍復帰後も抗がん剤を投与しながらプレーし続けた。「3月アタマから7月、オールスターに選ばれて発表の日までですね」と振り返った。大病の予兆は昨季もあったという。「どれだけ寝ても疲れが取れない。あくびしてしまう」。

復帰までの道のりも険しかった。「少しランニングのペースが上がっただけでも、うれしくて。そこからのスタートでした。復帰して1軍に上がる手前の試合まで自分の感覚と見たものの反応がなかなかマッチしなくて。目でとらえてもどん詰まりのゴロとかだった」。共演した元阪神の関本賢太郎氏(41=野球評論家)が「心が折れそうなときにどう乗り越えるのか」と質問すると「僕は目標を持つことが大事だと思います。野球で最終的に達成したい目標がある。人には言えていない。達成するために負けるわけにいかない目標があったから、折れずにやってこられた。目標を持つ大切さはあると思います」と答え、胸に秘めた思いの一端を明かした。

関本氏とはチームメートだった。矢野監督が現役当時「娘の結婚相手、原口しかおらん。原口やったらええわ」と話していたのを思い起こし「原口じゃないと無理やという、人間性を持っています」と性格に太鼓判を押していた。来季について「捕手で勝負したい気持ちが一番強い。過去最高の結果を出す。最高の成績を自分のなかで出したい」と意気込んだ。