ダイエー(現ソフトバンク)、大リーグのマリナーズ、阪神で活躍した城島健司氏(43)がソフトバンクに復帰することが17日、分かった。

球団は、球団付または球団会長付のポストを新設し、アドバイザーに就任する方向で最終調整している。同氏は99年の福岡移転後初優勝などに貢献。日米でのプロ18年間の知見を球団で役立てる。05年以来15年ぶりの復帰で、4年連続日本一へ強力な「補強」となりそうだ。

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元ヤクルトのバレンティンを2年総額10億円で獲得したばかりのソフトバンクが、選手以外でも「補強」を進めていた。ダイエー時代から日本一を攻守で支えた城島氏をサポート役として迎え入れることが明らかになった。肩書は球団を総合的にサポートするアドバイザーになるとみられる。

同氏は王球団会長が監督に就任した95年からダイエーでプレー。99年の初優勝と日本一、00年のリーグ連覇に貢献した。03年の阪神との日本シリーズでは日本一を奪回し、MVPも獲得。卓越した打撃力と、捕手としては巧みなインサイドワークで鳴らした。マリナーズでもマスクをかぶり、09年WBCでは日本の世界一を支えた。

球団は、城島氏が12年に阪神で現役を退いた後、将来の監督候補として調査を進めた経緯がある。指導者としての素質とリーダーシップを評価し、今年に入っても王球団会長は同氏について「そろそろユニホームを着た方がいい」と球界復帰を希望していた。

孫正義オーナーが掲げる「世界一のチーム」へ向けて、今オフはバレンティンを獲得。リーグ最多183本塁打の打線にシーズン60本塁打(13年)の日本記録保持者を加えてなお、三笠GMは「我々は常勝軍団として、強くなるための十分な準備は必要」と話していた。その姿勢はチームだけでなく、フロントを含めた球団全体に及び、城島氏の入団はその一環とみられる。

近年の城島氏は趣味の釣りを続け、テレビ番組にも出演するほど。ただ、野球への情熱は消えておらず、昨年2月はOB戦で13年ぶりにダイエーのユニホームを着てプレー。今夏は高校野球福岡大会に足を運び、近大福岡の内野手としてプレーした長男優太(3年)の最後の試合を見届けていた。その際は「3年間、野球をやっている姿が見られた。親孝行ですよ」と野球人としての父親の顔を見せていた。

工藤監督とはダイエー時代にバッテリーを組んだ仲で、超一流の捕手に成長していく過程をともにした経緯もある。「ジョー」の愛称で親しまれ、地元福岡では今なお、圧倒的な知名度、人気を誇る城島氏がホークスに帰ってくる。

◆城島健司(じょうじま・けんじ)1976年(昭51)6月8日生まれ、長崎県出身。別府大付(現明豊)から94年ドラフト1位でダイエー入団。強打の捕手としてリーグを代表する捕手に育ち、99、00、03年の優勝に貢献。05年オフFAでマリナーズ移籍。09年オフに阪神で日本復帰。4年契約の最終年を待たずに12年限りで引退した。03年パ・リーグMVP。ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞8度受賞。日本14年間で1323試合で打率2割9分6厘、244本塁打。メジャーでは4年間で462試合に出場。現役時代は182センチ、89キロ。右投げ右打ち。