竜の20年は将来のエース候補に大きな期待が寄せられている。2年目を迎える右腕の中日梅津晃大投手(23)だ。

19年は8月12日阪神戦(ナゴヤドーム)にプロ初登板して6回1失点で初勝利を挙げると、さらに2勝。初登板から3戦3勝は中日の新人では87年近藤以来32年ぶり2人目の快挙だった。1年目は6戦4勝1敗、防御率2・34で終えた。

即戦力と期待されて入団した梅津は、1月の新人合同自主トレで右肩痛を発症し、春季キャンプはリハビリ組に入った。ソフトバンク甲斐野、DeNA上茶谷と「東洋大150キロトリオ」の1人。シーズン序盤から活躍する同級生たちに後れを取ったが、チームは梅津をじっくり熟成させた。ある首脳陣は「彼はエース候補生。完全な状態になるまでは投げさせない方針だった」と振り返る。与田監督も最長で7イニング、球数も最多で102球で梅津をマウンドから降ろしてきた。

春のキャンプを含めて順調に調整が進めば「リミッター」は外される。剛速球を誇った竜のたたき上げ右腕エースと言えば、杉下茂、権藤博、星野仙一、小松辰雄らがいる。そして、先人たちが背負っていたエースナンバー「20」。20年。梅津はそこに近づくシーズンにする。【伊東大介】