球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが14日、都内の野球殿堂博物館で発表され、エキスパート部門で阪神などで活躍した田淵幸一氏(73=野球評論家)が選出された。歴代11位となる通算474本塁打を放ち、ダイエー(現ソフトバンク)で監督、阪神、楽天でコーチとして指導した。

特別表彰ではアマチュア界の名勝負で語り草となっている60年の「早慶6連戦」を指揮した元早大監督の石井連蔵氏(享年83)と元慶大監督の前田祐吉氏(享年85)が選ばれた。

プレーヤー部門ではヤクルト高津臣吾監督(51)らが候補に名を連ねたが、得票率で達せず、本年度の選出はなかった。また特別表彰の候補だった人気野球漫画の作者、水島新司氏(80)や「六甲おろし」「闘魂こめて」など多数の野球応援歌を作曲した古関裕而氏(享年80)も候補者だったが、水島氏は得票率21・4%、古関氏は同14・3%で選出に必要な75%以上に達しなかった。

◆競技者表彰プレーヤー部門 プロ選手を対象として引退後5年を経過して、のち15年間を有資格者とする。幹事会が30人以内の候補を選び、野球報道15年以上の経験を持つ委員(今年有効投票354票)が7人以内の連記で投票する。3分の2の有効投票で、75%以上の得票者を殿堂入りとする。得票率が有効投票数の3%未満の場合は、次年度以降の候補者にはなれない。

◆エキスパート部門 現役を引退したプロの監督、コーチで引退後6カ月を経過している者、現役引退後、21年以上経過しているプロ選手も有資格者とする。20人以内の候補者を選び、殿堂入りした競技者と競技者表彰の幹事及び野球報道経験30年以上の委員(今年有効投票135票)が5人以内の連記で投票。3分の2の有効投票で、75%以上の得票者を殿堂入りとする。

◆特別表彰 アマの競技者を対象に選手は引退後5年、監督、コーチは引退後6カ月を経過している者を有資格者とする。またプロ、アマの審判員で引退後6カ月を経過している者、プロ、アマの組織、管理に関わり、野球の発展に貢献をした者、しつつある者、日本の野球の普及及び発展に顕著な貢献をした者、しつつある者にも資格がある。プロ、アマの役員・元役員、学識経験者で構成する委員(計14人)が3人以内の連記で投票。3分の2の有効投票で、75%以上で殿堂入りとする。