日本ハム中島卓也内野手(29)が、小技全開で日本一に貢献する。21日、沖縄・宮古島での自主トレを公開。盗塁王に輝いた15年以来の大台越えとなる30盗塁、犠打成功率100%を掲げ南国で鍛錬を積んでいる。右肘痛を抱えているが、栗山監督の強い要望がありキャンプは1軍スタートが決定。「選手会長で優勝したい」との悲願達成へ、縁の下の力持ちになる。

  ◇    ◇    ◇

例年は隠れている太陽が、強い日差しを放っていた。気温20度以上の南国・宮古島で、中島は悲願への挑戦を心待ちにしている。「選手会長で優勝したい」。3年目の責務を背負い、成し遂げたい目標。16年の日本一を振り返り「優勝した年は、嫌らしい野球をやっていた。盗塁をしたり、小技やチームプレーをしっかりしていた」。再び歓喜の瞬間を描いている。

上位打線を支える、縁の下の力持ちになる。遊撃を争う石井、平沼ともパンチある打撃を持ち合わせている。中島は「長打は打ちたいと思っていない」と重きを置くのは守備。「僕の中では、やることがある。バントとかは9人いたら誰かがやらないといけない。そういうのは打つ、打たないより大事だと思っている」と信念を貫く。犠打の成功率100%を目指し、チームの歯車になる。

もう1つの持ち味である盗塁数にも、こだわりを見せる。「1年間(試合に)出るというのは最低限で、盗塁30個以上はしたい」と自らに課した。盗塁王に輝いた15年、キャリアハイ34盗塁以来の大台到達を狙う。現在は左膝痛で軽めのランニングで状態を整えている。打撃練習には参加するなど、温暖な地で早期復帰に努めている。

2月1日からの春季キャンプは1軍スタートが決定。右肘痛を抱えているが、栗山監督ら強い要望があった。「守備の連携部分で、僕がいないといけない。投げられなくても出来ることがある」。託された思いを胸に、約1カ月のキャンプが始まる。愚直に、優勝の2文字を追い求めていく。【田中彩友美】