日本ハム斎藤佑樹投手(31)が、生涯ファイターズ愛を宣言した。25日、東日本大震災の復興支援の一環で北海道・厚真町の小学校を訪問。夢をテーマにした授業では教壇に立ち「ファイターズが世界一の球団になること」が夢だと告白。現役引退後も、ファンとしてファイターズ愛を貫くことを明かした。10年目のシーズンを前に、胸に秘めていた思いを再確認した。

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子どもたちに負けない、きらめく瞳を放っていた。斎藤がホワイトボードに書き記した夢は「ファイターズが世界一の球団になること」。夢をテーマに立った教壇で、小学6年生の熱視線に応えるように語り始めた。

斎藤 世界中の人たちがファイターズの選手を見て、ファイターズの試合を見たいなと思ってもらえるように。球場を、最高のエンターテインメントにしたりすることも大事だと思います。まずは選手として、今年チームが優勝するために頑張りたいです。

プロ10年目で見せた覚悟だった。隣にいた杉谷からは「現役を引退後は、どういう位置でファイターズを世界一にするんですか?」と児童の思いを代弁された。斎藤は「深い話になって、すみません」と笑顔で前置きして、ファイターズ愛を誓った。

斎藤 球団を経営する側になっても、監督やコーチになっても、ファンになっても。どの立場に立っても、ファイターズを支えていきたい。その時は、みんなも力を貸してください。

背水の立場でも、変わらない愛を抱いてきた。入団後から試練は続き、昨季は未勝利。それでもファンの温かい声援、思いを尊重してくれる球団に感謝は増している。いつしか先発へのこだわりを封印し、チームの勝利を優先するようになった。調整が難しいとされている、昨季導入した投手起用法「ショートスターター」で活路を見いだし、力になろうと決めた。軸にある「ファイターズのために」という思いは、現役を退いても貫いていく。

今なお深い傷痕が残る光景に、決意を新たにした。北海道胆振東部地震で被災した厚真町で、復興支援イベントに参加。降雪の中、広範囲にわたる土砂崩れの様子を目に焼き付けた。「みんなの笑顔を見て、前に進んでいるんだなと感じました。2020年、ファイターズが日本一になるために精いっぱい頑張ります」。生涯ファイターズを胸に刻み、球春を迎える。【田中彩友美】

<日本ハム一筋を貫いた主な選手>

◆岡持和彦 東映時代の70年に入団。主に外野の控えとして88年まで19年プレーし、通算1218試合に出場。引退後は1、2軍の打撃コーチを務めた。

◆菅野光夫 75年入団。内野のユーティリティープレーヤーとして85年まで11年在籍し、通算1009試合に出場。引退後はコーチを務めたほか、05年からは鎌ケ谷の「勇翔寮」で寮長を務めた。

◆五十嵐信一 78年入団。内外野こなすマルチプレーヤーとして96年まで19年在籍し、通算1069試合に出場。引退後は2軍監督、コーチ、スコアラーなどを務め、現在は球団の査定担当。

◆田中幸雄 86年入団。07年まで22年プレーし、球団最多の通算2238試合に出場した「ミスターファイターズ」。引退後は1、2軍の打撃コーチ、2軍監督を務めた。

◆金子誠 94年入団。14年まで21年プレーし、通算1996試合に出場。引退後もコーチを務め、今年も1軍の野手総合コーチとして在籍27年目。