ソフトバンクに新加入したウラディミール・バレンティン外野手(35)の調子が上がってきた。宮崎春季キャンプ第2クール初日の6日、初のランチ特打を敢行。112スイングで20発の柵越えを披露した。

「ヨシッ! イケイケイケ!」。最後の一振りでバックスクリーン右に20本目のアーチを突き刺すと、ド派手なガッツポーズで喜んだ。約30分の特打は場外弾あり、3連発あり。「最初から飛ばしていたらへとへとになってしまう。徐々にスタートして、最後に力を入れていくのが自分のやり方」と前半はミートに徹し鋭いライナーが多かったが、終盤の30スイングだけで11本と、尻上がりに柵越えを量産した。「状態は良かったです。体の動きも良くなっているし、感覚的にも良くなってきた」と本領を発揮し始めた。

また初のシートノックでもヤクルト時代の定位置左翼に入り、軽快な動きを見せた。クッションボールの処理や中継への返球なども無難にこなした。ラストのバックホームでは、ワンバウンドで捕手のミットに一直線の好返球だ。「守備に関しては、今の状態はいいよ」。見守った村松外野守備走塁コーチは「思ったよりいいボールを投げていた。ヤクルトでも守ってきているのでね。心配するようなところはない」と及第点。工藤監督も「今出せる全力を出している。そういう姿勢が大事」と評価した。

チームの有事に備え、ヤクルト時代に挑戦したことがある一塁守備にも挑む意欲があるという。工藤監督も「本人のその気持ちがあるんだったら、時機を見てそういうことを考えていく」。今後、サインプレーの練習を見学するなどキャンプ中に準備していく予定だ。前日5日の休日には自らバリカンを使い髪も短く整えた。頼もしい新戦力にスイッチが入ってきた。【山本大地】