プロ野球南海(現ソフトバンク)で捕手兼任監督を務め、ヤクルト、阪神、楽天でも指揮を執った野村克也さんが死去したことが11日、関係者の話で分かった。84歳だった。野村さんは数々の名言を残した。

<野村語録>

◆日本海の浜辺に咲く月見草 現役時代、人気の巨人長嶋を「ひまわり」にたとえ、自らをこう表現。93年にはCD「俺の花だよ、月見草」をリリースした。

◆生涯一捕手 南海では選手兼任監督を務めながらも解任。その後、ロッテ-西武と渡り歩き、45歳まで現役を続けた。

◆ID野球 持論は「野球は頭を使ってやるもの」。評論家時代はストライクゾーンを9分割した「野村スコープ」で解説した。90年にヤクルト監督に就任すると、データを重視する(Import Data)ID野球を掲げた。

◆勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし 「勝因には奇跡やまぐれがあるが、敗因にはセオリーから外れるなど必然性がある」の意。

◆念ずれば花開く サイン色紙に書き入れるほどの座右の銘。テスト生からはい上がった苦労人の生きざまが表れている。

◆無視、称賛、非難 選手への接し方をレベルに合わせて変える。要求が高くなるほど言葉も厳しくなり、非難する選手には、実は最上級の評価をした。期待するからボヤく。

◆マー君、神の子、不思議な子 田中(現ヤンキース)が楽天入団1年目の07年8月3日、4回で5失点しながら勝利投手になり、神懸かり的な力に驚く。「何点取られるか投げ続けさせたら、天から神が降りてきた。先祖代々、何かあるんだろうな。そういう星の下に生まれている」。

◆バッカじゃなかろうか~、ルンバ 08年5月の巨人戦、2点差の9回裏1死一塁から盗塁を刺して勝利を決め、歌を披露。