えっ!? バット折りながら!? 阪神ドラフト2位の井上広大外野手(18=履正社)が23日、西武2軍との練習試合(高知東部)で衝撃弾を放った。

「5番DH」で先発し、2回の第1打席だった。先発伊藤の内角スライダーを強振。バットの根元が折れたものの「いいところに当たってくれた」と力で左翼スタンドの防球ネット中段まで運んだ。バットを折りながらの本塁打は人生で初めて。「ホームランになったのはしっかり振れている証拠だと思う」。18年の日本シリーズ第5戦でソフトバンク柳田がバットを折りながらサヨナラアーチを懸けているが、NPB屈指の強打者をほうふつさせるパワーだった。15日の社会人・四国銀行戦でのプロ初打席初球本塁打に続き、驚きを与えた。

試合前は地元が同じ大阪・大東市で、歴代3位となる本塁打王6度の「おかわり君」こと西武中村と初対面。出身中学の最寄り駅を伝えると「めっちゃ近いやんっ! マジで地元やん」と気さくに返してくれた。「テレビで見るよりオーラがあった。体つきも全然違う」。そんな大先輩の前で放ったバット折りアーチ。ダイヤモンド1周の際には三塁側ベンチ上で試合を見ていたおかわり君から拍手を送られた。

井上は本塁打の打席について「1球目から振れなかったのはだめ」と課題を挙げ、「次からは1球目から自分のスイングをしていきたい」と反省した。ただ残り3打席は12球中8球をスイングと試合の中で修正を図ってもいた。24日の四国IL・高知との練習試合(安芸)では右翼でプロ初の守備に就く。高校通算49本塁打の未来の大砲がその片りんを着々と見せている。【只松憲】

◆井上広大(いのうえ・こうた)2001年(平13)8月12日生まれ。大阪府出身。履正社では1年夏からベンチ入りし2年秋から4番。昨夏の甲子園決勝では、センバツで4打数無安打2三振に抑えられた星稜・奥川からバックスクリーンに運ぶなど、大会3本塁打で優勝に貢献。高校通算49本塁打。19年ドラフト2位で阪神入団。187センチ、97キロ。右投げ右打ち。