ヘッスラ、アタリマエ! DeNA新外国人のタイラー・オースティン内野手(28=ブルワーズ)が、闘争心あふれるヘッドスライディングで先制適時二塁打をマークし、打線を勢いづけた。

日本ハム戦に3番DHで先発。1回1死二塁、ロドリゲスの2球目を左翼線に運ぶと、188センチ、100キロの巨体を加速。ド迫力で頭から二塁を陥れ「基本的にクロスプレーになりそうなときは、自分は頭からいくよ。ランナーをかえせてよかった」とユニホームを泥だらけにしながら笑顔を見せた。

開幕も定まらない中でのオープン戦で、定位置獲得がほぼ確実な外国人選手が、ケガのリスクも顧みずに、1回から飛び込むのは極めて異例。4点を追う4回無死の場面でも、同じくロドリゲスから中堅左へはじき返す二塁打でチャンスメーク。大量得点の呼び水となった。

オープン戦11試合で32打数12安打。本塁打4本、二塁打6本という成績ばかりに目がいくが、常に先の塁を狙う積極果敢な走塁も見逃せない。2月23日中日戦(北谷)でも同じく2本の二塁打を放ち、中日与田監督は「走塁もいい」と警戒を強めた。ウオーミングアップ時のダッシュでも常に手を抜かず走り抜ける姿に、チームのトレーナー陣も「とにかく全力なのがすごい」と驚く。

新型コロナウイルスの感染拡大で、母国の米国でもメジャーリーグが開幕延期を決め、NBAはシーズンを中断。「アメリカだけでなく、世界中、すべてのスポーツで渦巻いている状況。日本で無観客でやっているのも、今の状況の中ではベストな判断だと思うよ」。パワフルな打撃とアグレッシブな走りで、ウイルスまでも打ち破る勢いだ。【鈴木正章】