阪神は2日、小幡竜平内野手(19)が兵庫県内の病院で新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査を受けたことを発表した。検査結果は、この日夕方の時点で出ていない。阪神は3選手がPCR検査で陽性判定を受けており、チームは活動停止中。検査結果次第では、再稼働に向けて大きな影響を及ぼす可能性がある。

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阪神がチームで4人目となるPCR検査受診を発表した。プロ2年目の小幡で、兵庫県内の病院で検査を受けたという。この日夕方の時点で結果は出ておらず、あらためて報告するとしている。阪神では、藤浪晋太郎投手(25)、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)の3選手が3月26日深夜にPCR検査で陽性判定を受けている。

球団によると、小幡は3選手の陽性判定が出る前の3月24、25日に選手寮内の食堂で長坂と食事。同27日に濃厚接触者と指定されていた。4月1日夜に37度2分の発熱。同2日朝には37度7分の発熱と倦怠(けんたい)感があったため、西宮市保健所に連絡してPCR検査を受けた。現在は西宮市内の選手寮で隔離されているという。発熱と倦怠感はあるが、せきや味覚等の異常はないという。

小幡は延岡学園(宮崎)から18年ドラフト2位で入団。1軍での出場機会はないが、高い守備力を誇り、3月15日のオリックスとのオープン戦で1軍デビューするなど、2年目の飛躍が期待されている。

球団は26日に選手寮を消毒したがこの日午後、再び消毒を施した。寮内の食事も変更する。寮生が戻った27日以降は食堂にとどまる時間を少なくするため、各自のオーダー方式から定食形式で配膳する形にしていた。だが今回の件を受け、全員各自の部屋で食事をとる方式に変更された。入浴もこれまで以上に時差をつけるようにされている。

松尾広報部次長は、他の寮生についても「全員隔離です。小幡と同じレベルの隔離を全員やっている。自分の部屋にいて、と」と説明。現時点で、体調不良を訴えている他の選手はいないという。また、陽性反応が出た藤浪、伊藤隼、長坂の3選手は、3月14日に球団外の人物を含む10人以上で会食していたが、松尾次長は小幡について「行っていない」と明言した。

チームは3月27日から活動を休止中。今月1日までだった休止期間は、「当面の間」に延長され、少なくとも8日までの活動休止が決められている。9日の再稼働が1つのメドでもあったが、今回の検査結果次第では、それについても大きな影響が出る恐れがある。

◆阪神コロナ感染経過

▼3月14日 藤浪、伊藤隼、長坂ら7選手が大阪市内で知人らと会食。

▼同18日 長坂が体調不良を訴え練習欠席。

▼同19日 長坂が大阪府内病院で胸部CT検査受け「風邪」の診断。寮内で療養。

▼同20日 伊藤隼は中日との2軍練習試合(ナゴヤ)の遠征参加(~22日)。

▼同21日 藤浪が嗅覚異常を訴える。

▼同22日 伊藤隼が嗅覚異常を自覚。

▼同24日 長坂が練習合流。夜に小幡と寮内で食事。藤浪は兵庫県内病院受診。

▼同25日 藤浪が別の病院を受診。長坂は練習に参加し、寮内で小幡と食事。

▼同26日 藤浪、伊藤隼、長坂がPCR検査。

▼同27日 3選手の陽性を発表。小幡が西宮市保健所により濃厚接触者に指定される。

▼同28日 14日の会食に参加していた大阪市の20代女性2人の感染発表。

▼同29日 14日の会食に参加していた神戸市内の20代女性の感染発表。会食参加者は選手含め当初12人とされていたが、延べ13人以上だったことも判明。

▼4月2日 小幡がPCR検査を受けたことを発表。

◆小幡竜平(おばた・りゅうへい)2000年(平12)9月21日生まれ、大分県出身。延岡学園3年時、センバツに出場。18年ドラフト2位で阪神入団。昨季は2軍で99試合に出場し、打率2割2分5厘、1本塁打、14打点。184センチ、74キロ。右投げ左打ち。