日本野球機構(NPB)が新型コロナウイルス特例(仮称)の制定に着手する。6日、セ、パ両リーグの理事会と実行委員会を都内で行った。井原敦事務局長は「野球協約における新型コロナウイルス特例を、考えていかないといけない」と話した。

開幕が最短で5月下旬、6月にずれ込む公算もあり、143試合の実施が難しくなったことで同協約の改定が必要となった。今後、以下の主なルールが検討される見通しだ。

(1)登録抹消 感染疑いが出て、PCR検査を受け、後に陰性が判明した場合。通常10日間の1軍登録抹消期間を脳振とう特例のように、短くすることを検討する。1軍登録29人が増員される可能性も。

(2)支配下登録期限 7月31日がトレード、外国人選手獲得、育成選手の昇格など支配下登録期限。だが開幕が早くても5月下旬で期限まで間が短いため、期限を再設定する可能性がある。

(3)FA日数 出場選手登録145日を1年とするフリーエージェント(FA)資格条件はシーズン短縮により、影響を大きく受ける。このままでは1シーズン、1軍にほぼ登録されなければ1年に達しない。ダブルヘッダーは2日分にカウントすべきとの意見もある。また新型コロナウイルスに感染しても日数に反映されてもいいのではとの声もあるという。

(4)戦力外通告 10月1日以降から戦力外通告が可能だが、今季の同時期は試合数が多く残っているため、例年のルール運用では難しい。

今後は協約・ドラフト改定委員会で素案が作られ、次回の5月11日の実行委員会に取りまとめる見通しだ。

▽楽天安部井チーム統括本部長 新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れていますが、NPBと12球団がともに開幕へ向けて調整が必要なものをしっかり協議していきたいと思います。

○…メジャーではレギュラーシーズン162試合が81試合以下になれば年俸が半減されることでMLBと選手会が合意したと伝えられているが、日本球界では現状は否定的だ。巨人星総務本部長は「統一契約書では日本は期間(2月1日~11月30日)によって(契約が)拘束されるが、メジャーは試合数によって分けられるので、メジャーと同じようにはならないと思う」と見解を示した。

○…球界は緊急事態宣言が発令された場合、各球団で練習態勢など対応をする。中日加藤球団代表は「選手が練習できる環境を提供してあげることでは、みなさんで合意している。ただ(自治体から)強制力のあるものが出てきたら、考え直さないといけない」と話した。都内のNPB事務局は大部分の職員を在宅勤務とする。