梨田さん、開幕間に合った--。新型コロナウイルス感染から奇跡的に回復した元近鉄、日本ハム、楽天監督の梨田昌孝氏(66=日刊スポーツ評論家)が11日、大阪府内の病院で精密検査を受け、完全に回復したと診断を受けた。体力も順調に回復し、外出も許可されるなど、評論家活動などを含めて社会復帰することになった。

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梨田氏はこの日、退院後2度目の精密検査を受けた。CT、心電図、採血、採尿など、あらゆる角度からのチェックが徹底的に実施された結果、主治医から「異常なし」と診断された。

「医師から『問題なしだ』とお墨付きをいただき、安心しました。外食、電車利用など外出も、人混みを避けることに注意すれば大丈夫ということでした。(プロ野球の)開幕にも間に合うことがかなってうれしいです」

また、ウイルスの再活性化により再陽性が出る可能性にも「医師からは『梨田さんに限ってはないと思います』と説明を受けました」と語った。退院から23日が経過し、この日の検査結果によって社会復帰が認められた形だ。

4月1日に新型コロナウイルス感染が判明して以来、5月6日にPCR検査で2度の陰性結果がでるまで約1カ月を要した。その後退院にこぎつけたのは5月20日だった。

本人が「97、98、99%危なかったようです」と告白するほど生命の危険度が高く集中治療室(ICU)での治療が続いたが、50日間の闘病生活を経て、奇跡的回復を遂げた。

この日も自宅で約5000歩のウオーキング、ダンベルを使ってトレーニングをこなすなど、健康観察が続けられた。「自分で抑えるぐらい」というほどの食欲で体重は約1・5キロ増。すっかり体力、健康を取り戻した様子だ。

今回区切りがついたことから梨田氏は「改めて医療従事者の方々に感謝します」と語った。新型コロナウイルス感染からの完全回復で、今後は現場での活動再開を目指す。【寺尾博和】