大勝の陰に隠れがちでも、見逃せない数字がある。チーム打率、得点ともにリーグトップの楽天が12球団で唯一、開幕から無失策を続けている。

27日の日本ハム戦も内野ゴロ10、フライアウト9、ライナー1をきっちりとアウトに(奪三振6、併殺1)。安打時、中継間の悪送球もなかった。三木監督は「個人的にエラーは評価しにくい数字。守備範囲が広かったりいろんなことでつく可能性がある。数字だけでは何とも言えない」と前置きし「1つ1つのプレーをしていこう、積み重ねていこうという点では、数字としてゼロは素晴らしいこと」と語った。

徹底した基礎練習が「鉄壁」を支える。昨秋、今春キャンプでも実戦を想定した守備、ケース打撃練習がメニューの大部分を占めた。監督が「まずは当たり前のことを当たり前にやることが前提。しっかり数を受けることも大事」と方針を設定。全体メニュー終了後、照明がともる中で土まみれになりながらノックを受ける選手も多かった。オープン戦期間の3月上旬、ホーム開催の静岡遠征中も、試合前後のグラウンドを利用し量を補った。

データを基に極端な内野シフトも試みる。18日の開幕前日練習では、遊撃手の茂木、小深田が二塁ベース後方でノックを受けた。スタッフに投手役としてマウンドに立ってもらい、試合に近い形で想定練習を繰り返した。就任時に掲げた「バッテリーを中心に1点を守り、1点を奪う野球」。基本の反復と準備、予測が土台にある。【桑原幹久】