西武が誇る剛速球右腕・平良海馬投手が、日本人6人目となる160キロをマークした。

7回無死満塁の場面で登板。楽天3番ロメロへの4球目、ど真ん中への直球はバットの下をかいくぐり、160キロを計測した。自己最速とともに、球団記録も更新する大台。空振り三振に仕留めた感触を「ロメロ選手に投げた最後の160キロは、自分の中でもめちゃめちゃいい球でした」と、振り返るほどの1球だった。

力と力の勝負。なおも続く大ピンチを力で押したが、首位を走る楽天打線にはね返された。4番浅村には148キロのカットボールを中前2点適時打とされ今季初安打を許すと、7番内田には外角への155キロの直球を右翼席への満塁弾。天を仰ぎ、両手で頭を抱えた。開幕から続いた“ノーヒットノーラン”は9回2/3で途絶え「ここまで、被安打なしが続くとは予想できなかった。でもヒットを打たれてもゼロに抑えることが大事。今日は大量失点してしまったので反省です」。最速更新直後に満塁弾。浮き沈みの激しい18球だった。

プロ3年目の20歳はまだ成長過程にある。「あのような形で打たれてしまった。次は割り切っていきたいです。特に何かを変えるわけではなく、このまま次も投げていきたいと思います」。下を向くことなく、天井知らずの成長曲線を描いていく。【栗田成芳】

◆投手の連続イニングの計算法メモ 野球規則で投手の連続イニング無失点について、失点した回のアウト数は数えずに、前の回までと決められている。連続イニング無安打や連続イニング無四死球も同様に扱われ、安打や四死球のあった回のアウト数は含まない。