オリックスは20日、成績不振のため西村徳文監督(60)が辞任すると発表した。西武9回戦(京セラドーム大阪)で4連敗を喫した後、球団が辞任を要請して西村監督は受諾し、事実上の解任となった。チームは借金17、首位と12ゲーム差の最下位に低迷している。中嶋聡2軍監督(51)が監督代行を務める。残り67試合で巻き返しを図るとともに、中長期ビジョンでのチーム再建に着手する。

   ◇   ◇   ◇

西武戦終了後、オリックスが突然の監督交代を発表した。西村監督が電撃辞任。投打で振るわず最下位に低迷するチームは20日も敗れ、16勝33敗4分けの借金17で首位と12ゲーム差。報道発表は辞任だが、事実上の解任だった。

西村監督は18年シーズン限りで辞任した福良淳一監督(現GM、60)の後任としてヘッドコーチから昇格。ロッテ監督時代の10年に日本一に導いた手腕を期待されたが、1年目の昨季も61勝75敗7分けで最下位に終わった。

今季は大リーグ282本塁打のジョーンズを獲得したが、開幕1勝9敗と出遅れた。昨季勝率1位の山岡の負傷離脱も響き、7連敗を2度喫するなど不振が続いた。さらに8月は2勝13敗1分けと失速。今季187得点はリーグワーストで得点力不足が顕著だった。

緊急会見した福良GMは「今のチーム状況を考えると、このタイミングになった。まだまだチームとしては可能性を持っているチーム。ポテンシャルの高い選手もたくさんいる。全然、巻き返せる能力があると思っている」と説明した。

代行監督は昨季から2軍で指揮を執る中嶋氏が昇格する。理由について同GMは「コーチ経験も長く、若手の育成にも長けている。ゲームメークもできる。最適という判断でお願いしました」とコメント。捕手出身で野球を熟知する51歳に、来季以降も見据えた長期ビジョンで再建を託す。

中嶋氏は「勝利&育成力」に定評がある。今季2軍はウエスタン・リーグで22勝17敗3分け。ソフトバンクとゲーム差なしで首位を争う。同GMは「チームの雰囲気を変えてほしい。(中嶋氏は)若手と上(1軍)にいるメンバーを融合させて、うまくやってくれると思う」と期待を込めた。

中嶋氏も力強く決意表明した。「残り67試合。やれることはまだまだあります。このままで終わるチームではありません。すべての戦力を1つにして戦っていきます」。チームが遠ざかる95~96年の優勝を現役で知る男。中嶋オリックスで逆襲に転じる。【真柴健】

▽中嶋監督代行 2軍監督の立場からこのチームを見ていて、選手の持つポテンシャルと可能性については大いに期待を抱いていました。残り67試合。やれることはまだまだあります。このままで終わるチームではありません。すべての戦力を1つにして戦っていきます。