今季限りでの現役引退を表明した楽天渡辺直人内野手兼1軍打撃コーチ(39)が13日、仙台市内で会見を行った。

ユニホーム姿で登場。「この度、渡辺直人は現役生活を引退することを決断いたしましたことをご報告いたします。今まで、ここまで野球を続けていく上で支えてくださった全ての方々に感謝の気持ちを申し上げます。本当にありがとうございました」とあいさつした。

決断の理由は「まだシーズンの最中ですので、自分のことでこういう引退発表の場を作っていただき感謝していますが、自分の中で1つ区切りをつけたいと思い、今の時期に発表させていただきました。シーズン半分過ぎて、自分の出場機会がなくなった。それが一番の決め手ですし、コーチ兼任ということで自分は今までうまくなりたい、自分が試合に出て活躍したいと強く思っていたんですが、若い選手、試合に出ている選手の成功がものすごくうれしく感じるようになって、若手の成長を手伝えていることに、若手の必死な顔を見ていることにすごく幸せな気持ちになってきて、選手としては違うのかな、ということで決断しました」と話した。

やりきった時が引退、と以前から決めていた。「今でもうまくなりたいと練習している。野球が大好きなので、なかなかやりきった、というところまではいってない。今でもうまくなりたいです」と率直な思いを口にし「楽天に入団して、いろんなことがあって、最後に楽天のユニホームを着て引退することは自分の夢。幸せだなと思います。今の自分があるのは、入団して若いときに成長させていただいたから、今がある。いつか恩返ししたいという思いはずっと持っていた。元々いた時もそうですし、他球団に移ってからも仙台でプレーする時は多くの声援をいただいて、その声援に…」と話すと言葉に詰まり、目を潤ませた。

花束は岡島豪郎捕手、浅村栄斗内野手がサプライズで渡した。

◆渡辺直人(わたなべ・なおと)1980年(昭55)10月15日、茨城県生まれ。牛久-城西大-三菱ふそう川崎を経て06年大学・社会人ドラフト5巡目で楽天入団。10年12月に金銭トレードで横浜移籍。13年7月、長田秀一郎投手とのトレードで西武移籍。17年オフに西武を戦力外となり、楽天復帰。今季は打撃コーチ兼任。07~09、11年に規定打席到達。11年オールスター出場。173センチ、73キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2000万円。

 

楽天鉄平打撃コーチ 先輩であり、親友のような存在。野球人、人生もこれから。この先もずっと手助けしたいと思うし何かあったら相談したい。これからもよろしくお願いします。

岡島豪郎捕手 一人の人間として尊敬できる、目標にできる人。本当にかわいがってもらったし、野球の勉強もたくさんさせてもらったので、これからもいろいろと勉強したいです。

銀次内野手 兄貴的存在で人に対する接し方や生活面も教わりました。試合が終わって室内に行くと自分の練習をしているし、何歳になっても野球がうまくなりたいというのが伝わってきました。直人さんの野球をたくさんの人に教えていってほしいです。