阪神大山悠輔内野手(25)が、打率3割と打撃2冠を視界に捉えた。2回に内野安打で出塁。4回には右翼線三塁打で先制機をつくりあげた。チャンスメークだけでは終わらない。1点リードの5回1死一、二塁で左前適時打。さらに7回1死二塁では中越えの適時二塁打。今季初の4安打で、2打点を積み上げ、今季通算打点を72とした。

夢が広がる。昨年の76打点の更新は目の前。打点部門でリーグ2位タイとなり、78打点のリーグトップ巨人岡本とは6差に詰めた。現在26本塁打はリーグトップで、打点王との2冠もくっきりと視野に入る距離だ。チームを勝利に導く打撃を大事にするだけに、貴重な追加点となった2打点に充実感がある。

大山 打点がチームの勝利に一番直結する数字だと思っていますし、そこを稼ぐのが自分の仕事と思っています。まだまだのところはありますが、1打点1打点、もっと増やしていけるように、勝利打点だったり、勝利につながる打点を大事にしています。

打率は規定打席到達後、プロ最高の2割9分7厘に。対応力がつき、広角に打てるようになったことが数字に表れており、矢野監督も「本当に状態が上がってきてるので、3割(と本塁打)30本を目標にできる」という。そして大山にとっては、チームの連敗を3で止めたことに加え、もうひとつうれしいことがあった。ルーキー井上のプロ初安打、初打点だ。

大山 本当にすばらしい一打だと思いますし、初ヒット、初打点。これは一生残ると思う。もっともっとできる、いいスイングができるバッターと思っていますし、(井上)広大がこの先、力をつけていくために、自分もそれをしっかりサポートしていかなければいけないと思っています。そういう役割もこれからはついてくると思うので一緒にタイガースが強くなるようにやっていければいいなと、一緒に頑張っていきたいと思います。

虎をけん引する若き4番の言葉には、責任感が宿っていた。【松井周治】