実は、あのタイトルが欲しかった…。日本ハム中田翔内野手(31)が17日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5000万アップの3億4000万円でサインした。球団では新庄剛志氏の3億円(06年)を上回る、史上3人目の高額更改となった。

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「本当に狙っていた」と明かしたのは、今年の流行語。開幕前、例年以上に状態が良いことを「レベチ」と表現。13年目でキャリアハイの31本塁打、3度目の打点王とレベチな活躍で流行語にも手が届くと思っていた。「そんなに甘くはなかった。来年こそは、流行語を取れるように頑張りたい」と珍目標を設定した。

契約更改では、レベチな大幅アップを勝ち取った。球団史上最高額は11年ダルビッシュの5億円で、06年新庄氏を抜いて歴代3位に立った。3億以上は史上5人目。119試合に出場してチームを引っ張り「相当キツかった。もうやりたくないですね」とハードな1年を戦い切った。

シーズン後、本塁打に届かなかった一打を評価してもらおうと「フェンス直撃査定」を発案。交渉の冒頭、球団から「フェンスを低くすることは出来ないんだけど」と切り出され、苦笑い。「あんなのはビッグマウスだから。最初から自分から話すつもりはなかった」と納得の増額を受け止めた。今オフはレベチなスピードで、トレーニングを開始。例年より早く、シーズン終了後、約1週間で始動した。「ホームラン20本、30本、40本よりも100打点。そこは本当にこだわりを持ってやっていきたい」。代名詞となった「レベチ」な姿を、揺るぎないものにする。【田中彩友美】

◆中田の「レベチ」発言 沖縄・名護キャンプ中の2月25日、仕上がり具合を問われ「打撃の状態は、ここ4、5年で一番いいんじゃないかな。モノが違うというか、“レベチ”というかね」と答えた。その後のインタビューでは「感覚でしゃべっただけだったのに」と明かしていたが、紙面で「レベチ中田」が度々登場。一般的には「レベルが違う」の略として使われる若者用語(ギャル語)。

○…中田が清宮との共闘を誓った。将来の主軸として期待し、シーズン中は助言を惜しまなかった。「清宮あたりがチームの柱になってこないと話にならない。それだけのポテンシャルがあると思っている」。同じ一塁手と刺激し合う仲で「切磋琢磨(せっさたくま)して頑張っていく。それが最終的にチームのためになると思う」と見据えた。