少し早い春の珍事!? 西武の初の紅白戦が16日、宮崎・南郷での春季キャンプで行われ、白組の守備にスタッフが入った。キャンプ中に野手のけが人が2人出た上に、傷口から菌が入って発熱した森友哉捕手(25)が急きょ出場を回避したことを受け、野手の人数が足らなくなった。変則での開催を強いられ、12球団最遅での実戦が、珍しい形で開催された。

   ◇   ◇   ◇

1回表、紅組先頭・金子の打球が飛んでいった左翼で待ち受けたのは、打撃投手の国場だった。西武の南郷キャンプ初の紅白戦は、野手の人数が足らないため、野手紅組8人対白組7人で開催。出場予定だった森が、発熱で宿舎静養となったことを受け、応急処置的にチームスタッフが組み込まれ、6回の変則方式で行われた。

キャンプメンバー決定の時点で野手は18人だった。2日目に中村が左ふくらはぎの違和感で離脱。第3クール前には、高木が右太もも痛で高知・春野でキャンプを行うB班に合流した。けが人2人となった際、辻監督はB班からのチーム合流はさせず「下にまだまだ100%でできるという選手が(いない)。体の出来具合がもう少しという選手もいるし、人数的にそこまでできない。とにかく宮崎にいる間は今いるメンバーでやるつもり」。右足首を痛めていた山川や、ドラフト1位・渡部健人内野手(22=桐蔭横浜大)は右肩を痛め段階的に練習をこなしている。万全ではない状態での合流よりも、少数精鋭を貫いた。

昨年のキャンプも野手18人、一昨年は17人で敢行。人数を絞って鍛え上げ、12球団最遅での実戦が西武スタイルであり、南郷の風物詩でもある。他球団はすでに対外試合まで行う中で、キャンプ終盤に紅白戦。2月下旬からようやく対外試合が始まる。南郷という地理的な状況もあるが、2月前半は練習で鍛え上げるスケジュールに、主将の源田も「僕はずっとこれ。この流れが体に染みついている。しっかり練習ができるのは、いいところ」。6回の変則方式でも、4打席立ち2安打2打点の結果を残し着実にステップを踏む。17日に予定されている紅白戦も、引き続きスタッフ混合での開催の可能性が高いが、山賊スタイルで磨き上げていく。【栗田成芳】

西武担当のツイッターはこちら―>

西武ニュース一覧はこちら―>