日本ハム杉浦稔大投手(28)が、新守護神として初マウンドに立った。23日、楽天との練習試合(名護)で9回に登板。1回無失点に切り抜けた。前日22日に栗山監督から今季のクローザーを託され早速、最終回のマウンドへ。外国人の来日が遅れているなどのチーム事情もあり、杉浦に白羽の矢が立った模様だ。8年目は抑えで勝負する。

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新守護神として、第1歩を踏み出した。9回。杉浦が、覚悟を秘めてマウンドに立った。「1点も、あげない設定で」。先頭四球から2死一、二塁のピンチを背負ったが、軸の直球のほかチェンジアップ、シュート、フォークを駆使し、有言実行の無失点。「窮屈なピッチングになりましたけど、シーズン中もあんなピッチングになるんじゃないですかね」と笑みを浮かべた。

先発ローテーションの有力候補だったが、指揮官の言葉に決意は固まった。22日に栗山監督からクローザーを託された。外国人3投手の来日が遅れていることや「若い子が先発で、頭数はいる」(杉浦)と、チーム事情を理解している。「(抑えを)やるからには、腰掛けではなくて、チームに必要とされるピースにならないといけない」。昨季終盤に抑えを経験し、最終戦の11月9日ロッテ戦でプロ初セーブを挙げた。移籍4年目の今季は、本格的に守護神の役割を担う。

残りわずかなキャンプ期間中に、クローザーとしての準備方法をつかんでいく。連投を想定した登板も予定しており、ブルペンに入る回数など“抑え仕様”の調整を習得していく。「ちゃんと毎日投げられる準備をしていって、自分のペースをつくっていけたら」。栗山監督は「体の状態も良さそうだし、心配なのは体だけ。順調にいってくれれば」と期待を寄せた。

球威ある直球と、変化球の組み合わせで三振奪取能力は高い。今後、投球スタイルが変化していく可能性を感じているが「後ろで投げれば、三振も武器になる」と思い描いている。「ベンチからしたら、信頼できるピッチャーじゃないと(マウンドに)送れないので。信頼を勝ち取らないといけない」。理想の守護神像へ、結果で答えていく。【田中彩友美】

◆日本ハムの昨季クローザー セーブを挙げた投手は7人。秋吉の最多12に続き、宮西が8、公文、杉浦、玉井、堀、マルティネスが各1セーブをマークした。6月の開幕後は秋吉が大役を担っていたが、9月から宮西が試合を締める機会が多かった。18年に19セーブを挙げた石川直は8月に右肘手術を受け、登板機会はなかった。