日本ハム横尾俊建内野手(27)と楽天池田隆英投手(26)の1対1の交換トレードが27日、両球団から発表された。先発投手の駒不足に不安を抱える日本ハムと、右の長距離砲を求める楽天との思惑が一致した。開幕まで1カ月を切った中で、まとまった移籍。両球団のゼネラルマネジャー(GM)が背景の1つとして挙げたのが、新型コロナ禍による外国人選手の来日遅れだった。

昨季8勝のバーヘイゲンら、先発3投手の来日が不透明な日本ハム吉村GMは、今回のトレードへの影響について「なきにしもあらず」と説明した。「おにぎり君」の愛称で愛された横尾を放出してまで獲得を決めた池田隆は、右の本格派として創価大時代から高く評価。育成から支配下に復帰して迎えた今キャンプでは実戦で計7回無失点と好投しており、栗山監督は「北海道に合流したら、すぐに長いイニングを投げてもらいます」と1軍での先発起用を示唆した。

一方で楽天は、新たに獲得した2人の助っ人野手の来日が未定。石井GM兼任監督は「バッターに少し厚みを持たせたかった」。横尾の背番号は30、池田は未定で、来月頭にそれぞれのチームに合流する見通し。【中島宙恵】

▽楽天への移籍が決まった日本ハム横尾 満員の札幌ドームでホームランを打った時の大きな声援は、とても印象に残っています。気持ちを切り替え、新しい場所でも一生懸命に臨めたら。楽天は投打のバランスが取れ、ファンの声援も温かい。自分らしいプレーを見せられるよう頑張ります。

▽横尾に「おにぎり君」と命名した白井一幸元日本ハム内野守備走塁コーチ 必要とされて行くのだから、実力はあるということ。仙台でも牛タンをおかずに、たくさんおにぎりを握って欲しい。

◆横尾俊建(よこお・としたけ)1993年(平5)5月27日、東京都多摩市生まれ。日大三で2年春のセンバツ準優勝、3年夏優勝。慶大では4年秋に4試合連続弾を放つなど通算13本塁打。15年ドラフト6位で日本ハム入団。16年開幕戦のロッテ戦でプロ初出場。18年に自身初の満塁弾を放つなど自己最多の9本塁打。今季推定年俸1900万円。177センチ、95キロ。右投げ右打ち。

◆池田隆英(いけだ・たかひで)1994年(平6)10月1日、佐賀県唐津市生まれ。創価では甲子園出場なし。創価大4年秋のリーグ戦で最多勝、最優秀防御率。16年ドラフト2位で楽天入団。2年目の18年、4月15日西武戦でプロ初勝利。19年オフに育成契約も、今オフに支配下復帰。通算15試合1勝5敗、防御率5・91。今季推定年俸650万円。181センチ、85キロ。右投げ右打ち。