喜びを爆発させた。同点で迎えた7回1死二塁、ヤクルト村上宗隆内野手(21)は、ベンチで戦況を見守っていた。

山崎が右前へ決勝の適時打を放つと、若き主砲は雄たけびをあげながらベンチの最前列に飛び出し、手すりを何度も力強くたたいた。全身で表現したガッツポーズに「みんながなったでしょ。ファンとか記者もあの場面は」といたずらっぽく笑った。

コロナ禍で、青木や内川ら主力を多数欠く。今までは青木が先頭で奮い立たせていた。「青木さんだったらこういうことをするかなとか、こう声かけをするかなとか、そういうのをベンチの中で考えながらやっています」。4番としてチームを勝たせると腹をくくって臨む今季。自身も1月に新型コロナウイルスに感染し、思うように体を動かせない苦しみを知る。だからこそ、緊急事態にその思いをより強くした。

4回1死二塁の第2打席では「体が勝手に反応して自分でもびっくり」と外角のカットボールを逆らわずに中堅へ適時二塁打。強い気持ちが、無意識に体を動かし、今季初めて本塁打以外で打点をマークした。6回1死一塁では、2ストライクと追い込まれながらも、右前打でチャンス拡大。5番荒木のスクイズ成功に貢献した。

一丸となってつかんだ今季5試合目にして神宮初勝利。「ベンチ全員で声が出て、大きな力が働いて。すごく良い雰囲気でできている」とうなずいた。戦列を離れた先輩たちが、少しでも安心できるように。気迫をむき出しにして戦う。【湯本勝大】

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