倒れたままでは終わらない。ロッテが7回裏まで0-3の試合を、同点に持ち込んだ。

安田尚憲内野手(22)が打った。0-3の8回、1死一、二塁。オリックス漆原の初球カーブをしっかりため、引っ張った。3号3ラン。敗色が濃くなる中、値千金の1発だった。

7回の2失点は、自身の失策に起因した。「本当に取り返すしかなかったですし、(投手の)二木さんにすごく迷惑をかけてしまったので。何とか打てて良かったなという感じです」。二木の黒星もひと振りで消した。井口監督は失策にくぎを刺しつつ「いいところで4番の仕事をしてくれたと思います」と打を評価した。18打点は再びリーグ単独トップになった。

菅野剛士外野手(27)も貢献した。出場した直近5試合は、15打席で6三振。うち4つが見逃し三振。11日の西武戦(ZOZOマリン)では8回2死満塁の同点機で見逃し三振に倒れ、井口監督も「満塁で見逃し三振してるようじゃダメでしょうね」と険しかった。

一塁守備についたこの日も同点に追いついた8回、三塁安田からの送球に足が離れた(記録は安打)。再び勝ち越されるピンチに、1番宗の痛烈な打球が一塁線を襲った。菅野は飛びつき、体を張ってキャッチ。抜けたり弾いたりしていたら、致命的な失点になっていた。9回表の打席ではいい角度の右飛を放ち、今後につなげた。

益田直也投手(31)がしのいだ。開幕し、ここまで救援失敗が目立つ。14日の楽天戦(楽天生命パーク)も1点リードの9回に登板し、その1点を守れなかった。それでも指揮官は「代わりがいるわけではないですし、頑張ってもらわなきゃいけない」と信頼して送り出す。

この日も3-3の9回にマウンドに向かった。1発のある紅林、吉田尚を打ち取るも、4番中川圭には粘られた末に左前打。しかし、最後は代打大下を右飛にし、無失点でゲームを締めた。球場のスピードガンには154キロが表示される球もあった。敗色漂う試合で、それぞれのリベンジをした3人。倒れたままでは終わらない。【金子真仁】

ロッテニュース一覧はこちら―>