日本野球機構(NPB)は7日の日本ハム対楽天戦(札幌ドーム)を開催すると6日、発表した。臨時実行委員会が開催され、新型コロナウイルスの集団感染が発生して2日から活動停止となった日本ハムの今後の活動などについて協議していた。臨時実行委員会後に会見したNPB井原敦事務局長は「本日の臨時実行委員会ではまず、北海道日本ハムファイターズさんから、その後の経過ということで本日のPCR検査で新たな陽性者は確認されずいなかった。全員陰性であったというところから、札幌市保健所から活動再開が認められたというご報告をいただきました。それを受けて、臨時実行委員会で明日以降の試合開催については、日程通りに進めるということを確認いたしました」と話した。

これまでに判明している日本ハム内での新型コロナウイルス陽性者は計13人(選手7人、コーチ3人、スタッフ3人)。濃厚接触者の3選手も含めて「感染拡大防止特例2021」の対象選手として出場選手登録を抹消されたのは計10選手となっている。

井原事務局長は「今回の案件は非常に人数が多いクラスターですので、このような案件が出たということを受けて、改めて12球団で、ガイドラインのさらなる順守徹底を図るという認識を確認しました。特に、これは12球団やっているんですけども、遠征先での外食は禁止するということを、既にやっているところではありますが、改めて確認しました。変異型ウイルスに対して、どのように感染防止を図っていくかは、今までやってきた感染防止策を、さらに1人1人の意識を高めて、しっかりとやっていく。まずはそこしかないというところで、そのような確認をいたしました」と明かした。

 

★ここまでの経過

◆4月29日 ペイペイドームでソフトバンクとのデーゲームを終え、チームの一部は同日中に北海道へ移動(1軍本隊は翌30日)。

 

◆同30日、西武戦の試合会場となる札幌ドーム到着時に、西川遥輝外野手(29)は37・8度、中島卓也内野手(30)は37度の熱があり、清水優心捕手(24)ものどに痛みを感じ始めていたため、PCR検査を受けたところ、3選手とも新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。「感染拡大防止特例2021」の対象選手として、清水の車の助手席に同乗して濃厚接触者の可能性がある浅間大基外野手(24)を含めた4人の出場選手登録を抹消。鶴岡慎也捕手(40)、杉谷拳士内野手(30)、宇佐見真吾捕手(27)、平沼翔太内野手(23)を代替指名選手として登録した。

また、試合前には1軍の監督、コーチ、選手、スタッフ全員が、短時間で結果が出るスマートアンプ法のPCR検査を受けた。全員の陰性が確認されたため、予定通り西武5回戦が開催された。試合後、札幌ドームのロッカールームやトレーニングルームなど、チームエリア全ての消毒作業を行った。

一方、陽性判定者が出たことで、チームは2軍のチーム編成が困難になり、5月3~5日に千葉・鎌ケ谷で予定していたイースタン・リーグのロッテ戦中止が決まった。

 

◆5月1日 西武6回戦の試合前、再検査の対象になったドラフト6位ルーキー今川優馬外野手(24)を「感染拡大防止特例2021」の対象選手として出場選手登録を抹消した。また、感染の疑いがあった飯山裕志内野守備コーチ(41)、ロニー・ロドリゲス内野手(29)、高浜祐仁内野手(24)、郡拓也捕手(23)はベンチから外れた。9回に3点差をはね返して5-4と劇的サヨナラ勝利を収めた試合後、上記5人とチームスタッフ2人の陽性判定が新たに判明した。

飯山コーチは昨年9月にも感染し、約2週間後にチーム復帰。7人は発熱や体調不良などの症状はないという。チーム内で陽性が確認されたのは計10人となった。

球団は多数の陽性者が発生した事態を重く受け止め、感染拡大防止の観点や、管轄保健所と調査を進めながら今後の対応を協議するため、2日の西武戦中止に踏み切った。

 

◆同2日 濃厚接触者の特定を含む、管轄保健所の疫学調査に協力するため1軍のチーム活動を停止した。同3日からのロッテ3連戦(ZOZOマリン)と同7日からのイースタン・リーグ、ヤクルト戦(戸田)の中止も発表された。

札幌市内にある球団事務所で取材対応した川村球団社長兼オーナー代行は「試合は安心安全の確保を最優先に考え、中止せざるを得ないと判断しました。苦渋の決断を、どうかご理解ください。現在は日本野球機構や管轄保健所と連携を取り、今後に向けた準備を整えてまいります。これまで以上に感染症対策を徹底し、いっそう気を引き締めて球団運営に臨みます」と話し、1軍の活動再開へ「難しいとは思うけど、出来れば週末の7日からの試合(楽天戦)には臨みたいと現時点では思っています」と意向を示した。

 

◆同4日 管轄保健所の疫学調査が完了したことを受け、行われたPCR検査で荒木大輔投手コーチ(56)、高橋信二打撃コーチ(42)、スタッフ1人が陽性判定を受けた。また、渡辺諒内野手(26)、石川亮捕手(25)、スタッフ3人が濃厚接触者と判定され、両選手は「感染拡大防止特例2021」の対象選手として出場選手登録を抹消された。

 

◆同5日 札幌市はチーム名を非公表としながら、複数の新型コロナウイルス陽性者が判明したプロスポーツチームについて、クラスター(感染者集団)と認定したことを発表した。