ラオウ、一撃必殺の100万円ゲット弾! オリックスのラオウこと杉本裕太郎外野手(30)が、2戦連発となる先制8号2ランを放った。初回2死三塁。金子の3球目、甘く真ん中に入った速球を仕留めた。 「看板に当たれば何かくれるといううわさを聞いていた。『当たれ』と思いながら(打球を)見ていた。いやぁ…叫んだっす!」 特大アーチは左中間上方にある看板を直撃。球団では07年ローズ以来、同日本人では97年イチロー以来の看板弾で「東京ドーム・ビッグボードホームラン賞」として100万円の贈呈が決定。場内アナウンスで聞いた年俸1400万円の杉本は「うおおおおお!」と絶叫した。使い道を聞かれると「福田にテークアウトしようと言われたので、後輩のために注文しようかな」と語り、豪快な打撃とは裏腹の堅実な一面を見せた。 ラオウには下積みがある。JR西日本から15年ドラフト10位で契約金2000万円、年俸600万円で入団。お金のありがたみを知っている。社会人時代に「お金を稼ぐことの大変さを学んだ」といい、土日と平日の社業後に「野球で生きていく」と必死にバットを振った。勤務した輸送課は「悪天候や人身事故が起きて、ダイヤが乱れると指示を送るところ」というが、身長190センチの杉本の主な業務は「書類のシュレッダーやコーヒーシロップの買い足し」など雑用だった。 プロでも“下積み”が長く、昨年まで5年間で76試合で、昨季の41試合が最多だった。覚醒し始めた今季はすでに32試合目で、10試合連続安打、出場24試合連続出塁で直近4戦4発。打率は3割3分で、規定打席到達も目前に迫り、堂々とオリックスの4番に座っている。 無観客の東京ドームでカメラに向かって力強く右手を突き上げる恒例の「昇天ポーズ」を披露。狙う本塁打数は「一寸先は闇。まずは、2桁です。謙虚に、1日ずつ」。ラオウには、地道な努力もある。【真柴健】

▽オリックスT-岡田(今季2号2ランに)「いい角度で打球が上がってくれましたし、うまく打つことができたと思います」

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