最下位DeNAの自力優勝の可能性が早くも消滅した。2回に守備のミスが続出して3点を失うと、打線も4回以降は無安打に封じられ4連敗。首位阪神が巨人に勝ったため、ゲーム差は15・5まで拡大した。シーズンの3分の1にも満たない42試合目にしての自力V消滅は、大洋時代の89年に並ぶ不名誉な記録となった。

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最高気温26・7度の夏日を記録した広島も、試合が終わるころにはすっかり肌寒くなっていた。7点を追う9回2死走者なし、最後は代打中井があえなく空振り三振でゲームセット。5月中旬にして自力優勝の可能性が消滅し、三浦監督は険しい表情。「目の前の試合をみんなで戦っていくだけです。自力優勝…。数字上の問題はありますけど、1試合1試合やっていくだけです」と言葉を搾り出した。

守備のミスから主導権を握られた。1回無死二塁の危機こそしのいだが、2回にほころびが続出。先頭西川をゴロに打ち取ったかと思われたが、一塁手ソトのロメロへの返球が悪送球に。すると続く安部のゴロを、二塁手牧が二塁カバーに入った遊撃手大和へ悪送球。無死二、三塁とピンチが広がり、その後の小園の適時打などで3点を失った。

直後の3回には、先頭ロメロが内野安打で出塁。桑原の二塁打で無死二、三塁とし、大和の中前適時打とオースティンの二ゴロの間に2点を返したが、4回には先発ロメロが2つの四球などで2死満塁とされ、4番松山に手痛い2点適時打を浴び、リードを再び3点とされた。三浦監督は「ロメロはゴロを打たせて取るところで、ミスが出ると流れが悪くなる。しっかり守らないといけない」。

5月に入って初の3連勝など勢いが出たが、ここ5試合で4敗1分けと失速。4回以降沈黙した打線についても「つながりが出なかったというか。ミーティング通り差し込まれないようにと話していたが、打てなかったです」と淡々と振り返った。

数字上の問題で消滅はしたが、すぐにも自力優勝の可能性復活の目はある。まだ残り101試合、あきらめるわけにはいかない。【鈴木正章】

 

▼DeNAの自力Vが開幕42試合目で消滅した。DeNAは残り101試合に全勝で112勝26敗5分け、勝率8割1分2厘。阪神はDeNAとの残り16試合に全敗しても、他カードで全勝すれば115勝26敗2分け、勝率8割1分6厘となり、DeNAは阪神を上回れず自力Vが消えた。最近では18年楽天が31試合目、17年ロッテが37試合目に自力V消滅となっているが、DeNAの42試合以下は大洋時代の89年6月8日に42試合目で消滅して以来。

◆89年の大洋 47勝80敗3分け、勝率3割7分で最下位に終わり、優勝の巨人とは36・5ゲーム差だった。打率でパチョレックが2位、山崎が5位に入ったが、チーム本塁打は12球団ワーストの76本。10連敗と11連敗を喫した。巨人戦は88年から18連敗を記録した。シーズン終了後、古葉監督は5年契約の3年目で退任した。

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