四球禍。広島の新助っ人ドビーダス・ネバラスカス投手(28=パイレーツ)が「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦に先発して来日初登板したが、3回途中まで3安打3失点で黒星を喫した。5四球と制球を乱した。コロナ禍で先発3投手を欠き、2軍からの昇格組で挑んだロッテ3連戦は計25四死球。四球禍でリズムを悪くし、敵地で連敗した。今カード先発した投手全員の2軍降格が決まった。

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広島を苦しめたのは、敵地の強風ではなく、自軍の四球禍だった。来日初先発のネバラスカスは立ち上がりから制球が定まらない。四球で走者をため、2盗塁を許した。立ち直る気配すら見えないまま、3回途中に親指から出血。わずか2回2/3で5四球と乱れて80球を要し、3失点で黒星という散々なデビューとなった。

広島投手陣はロッテ3連戦で25四死球を与えた。3試合で計22失点のうち10点が四球で出した走者によるもの。一方、ロッテ投手陣は四球で出した走者の得点を1点に抑えている。佐々岡監督は「四球から失点が絡むというのは、ずっと言っているんだけどね。特にこの3試合は目立った。1試合(平均で)8四球は、8安打よりも野手(のリズム)には悪くなってしまう」。四球が3連戦の戦いを重くした。

チームはコロナ禍で先発ローテから九里、森下、高橋昂の3投手を欠く。ロッテ3連戦は2軍から昇格させた矢崎、玉村、そしてネバラスカスを起用したが、試合をつくれなかった。最長は玉村の5回。いずれも登板即2軍降格という結果に終わった。

先発の投球内容は中継ぎ陣にもしわ寄せが及び、この日は3番手の新人大道が初めてイニングをまたいだ6回に3失点。負の連鎖となっている。バッテリー間にも影響を与え、ロッテ3連戦で11盗塁を許した。

野手陣はチャンスを得た宇草や林がアピールを続ける。すでに活動を再開している菊池涼や小園は、早ければ6月1日にも2軍で実戦復帰する予定だ。1人もいなくなった次の週末カードの先発は、「特例2021」で出場選手登録を外れている投手の復帰も可能性がゼロではないものの、1つは現有戦力で埋めなければいけない。佐々岡監督は「今いるみんなでやっていくしかない」と救世主の台頭を待っている。【前原淳】

▽広島横山投手コーチ(四球絡みの失点について)「出そうと思って出しているわけじゃないけど、ゲームに与える影響が大きい。今日もゲーム前にその辺の話を少しして臨んだんですけどね。また対策というか、意識を変えていけるように考えたいと思います」

▽広島ネバラスカス 自分のアグレッシブさというものを全く出せない登板内容になってしまった。制球の部分がすべてだと思います。申し訳ない気持ちです。

◆ドビーダス・ネバラスカス 1993年1月14日、リトアニアの首都ビリニュス生まれ。6歳ごろから野球を始め、09年にパイレーツに入団して同国出身初のMLB選手となる。17年メジャー初登板。昨季はパイレーツで17試合に登板し、0勝3敗、防御率7・11。メジャー通算76試合で1勝4敗、防御率6・81。190センチ、102キロ。右投げ右打ち。

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