2軍再調整中の日本ハム中田翔内野手(32)が1日、気持ちも新たに再スタートを切った。

降格後の初実戦となるイースタン・リーグ巨人戦(鎌ケ谷)に4番一塁でフル出場。8回に左前打を放って3打数1安打1四球、一塁守備も無難にこなした。打撃不振から栗山英樹監督(60)に登録抹消を直訴し、自分を見つめ直した主砲が再び闘争心に火をともした。

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中田が17日ぶりにグラウンドへ帰ってきた。舞台はプロ野球人生の原点でもある2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷。「“もう1回やらないかん”っていう気持ちに、今はなっているので」。ユニホーム姿でファンの前に登場するのも5月15日ソフトバンク戦(札幌ドーム)以来。「自分のユニホームやタオルを持っている人がいた。ありがたい」と、感謝しながら定位置の「4番一塁」でフル出場した。

出場選手登録を抹消された同17日以降の「空白の2週間」は、真剣に野球と自分に向き合ってきた。同16日ソフトバンク戦の試合前に、打撃不振が続く中で栗山監督に2軍降格を直訴したという。

中田 やっぱりチームの足を引っ張るのも嫌だし、監督や指導者に気をつかわせてしまうのも嫌だし。だから(降格直訴の)スタートはそこからかな。自分の気持ち的な問題より、試合の流れを見て、自分がこの打順に入っていたら勝ちやすい試合も勝てないと自分で勝手に判断した。

栗山監督からは「とりあえず、まず考えなさい」と言われた。翌17日に抹消されると、札幌市内の室内練習場で再調整を始めた。午前10時から約2時間の打ち込み、午後はウエートトレーニングなどで毎日約6時間の練習。同28日まで「休みなしで」と、ぶっ続けで追い込んだ12日間。磨き直したのは技術面だけではなかった。

中田 真剣に野球と向き合う。そういう作業も必要だったと思う。本当に…抹消なしでベンチを外れてからの今日まで、いろんな人に迷惑をかけたと思うし、心配をかけたと思う。もう1回スタートを切ったので、また頑張りたい。

この日は8回の第4打席で左前打を放ったが、一塁上では首をひねった。「今日の打撃じゃ1軍に上がれない」。求められている姿は分かっている。あとは1日も早く、臨戦態勢を整えるだけだ。【木下大輔】