ジャイアンツ傘下3Aサクラメントの山口俊投手(33)がオプトアウト(契約破棄)の権利を行使して退団することが2日、分かった。退団後は日本球界の復帰を目指す模様で、新天地として古巣巨人が最有力候補に挙がる。19年オフに球団としてポスティングシステムを初容認。メジャー移籍後も自主トレ時に球団施設を提供するなど良好な関係を続けてきた。退団の正式発表を待ち、即交渉に乗り出すとみられる。

山口はメジャー2年目の今年2月、ブルージェイズから自由契約となりジ軍とマイナー契約。キャンプには招待選手として参加した。開幕からマイナーでの登板が続き、5試合(先発は4試合)で0勝3敗、防御率6・17。1日にはラスベガス戦に先発し、5回6安打4失点で勝敗はつかなかった。ジ軍はナ・リーグ西地区で首位と好調。開幕投手を務めたガウスマンが6勝0敗、防御率1・40と絶好調で、他の先発陣も防御率3点台と安定しており、メジャー昇格を目指す山口にとっては厳しい状況だった。

巨人にとって、山口復帰となれば最高の補強となる。先発陣は高橋がリーグトップの6勝を挙げているが、先発ローテーションは定まってはいない。5月以降は救援で登板した投手数が1日終了時でリーグ最多ののべ107人と、中継ぎ陣も登板過多の傾向にある。先発でも救援でも実績のある山口が加われば、投手陣の厚みが増すのは間違いない。

◆山口俊(やまぐち・しゅん)1987年(昭62)7月11日、大分県生まれ。柳ケ浦では1年夏、3年春に甲子園出場。05年高校生ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)入団。09年に救援に転向し、12年に史上最年少で通算100セーブ達成。14年途中から先発に再転向。16年オフにFAで巨人移籍。18年7月27日中日戦でノーヒットノーラン達成。19年は最多勝利、勝率1位、最多奪三振。19年プレミア12日本代表。19年オフに巨人初のポスティングシステムを利用し、ブルージェイズ移籍。今年2月に自由契約となり、今季はジャイアンツ傘下の3Aでプレー中。187センチ、98キロ。右投げ右打ち。