ど根性で決めた。DeNA浜口遥大投手(26)が、チームの今季初完投を、2年ぶりの完封で飾った。今季のチームの先発投手は8回のマウンドに上がったこともなかったが、中5日で9回138球。「なかなかこういうチャンスはない。何より中継ぎのみんなを休ませられたのがうれしい」と声をはずませた。

最後は苦しんだ。8回まで106球。三浦監督から「ここは任せたぞ」と送り出された。2者連続三振で2死二塁。だが、右前打を浴びると、普段はもの静かな川村コーチから「何とかしろ根性で」と気合を注入された。四球で2死満塁。「1点取られたら三嶋さんに代わるシチュエーション。『打たれたらごめんなさい』と割り切った」。最後は野村を宝刀チェンジアップで中飛に打ち取り、捕手伊藤光とマウンドで抱き合った。

今季3度目の中5日だが、どうしても完投したかった。前カードの西武戦は、先発投手が3人連続で5回未満で降板していた。救援陣は登板過多。「打線はすごく打ってくれる。中継ぎも頑張っている。先発陣として試合をつくっていくことができず、自分が何かできないかと思っていた」。今季は開幕投手を直訴したほど、リーダーシップに目覚めている。熱い気持ちが充満していた。

三浦監督は「本人が行く気満々で9回のマウンドに上がった。(完封は)非常に大きい。浜口にも意地があったと思うし、1人で投げ抜いたのは大きい」と絶賛した。交流戦初優勝へ向け、最終カード初戦を最高の形で取った。【斎藤直樹】