上武大(関甲新学生)・進藤勇也捕手(2年=筑陽学園)の満塁本塁打も空砲となった。

1-2の6回2死満塁で、慶大(東京6大学)・森田の初球140キロを左越えに放り込んだ。「しっかり振ろう、後ろにつなごうと、迷わずに打席に立ちました」。前打者のブライトの三遊間への当たりを処理した慶大の三塁手と、二塁走者が交錯しかけた。内野安打となったが、慶大・堀井監督が守備妨害はなかったか確認を求めた。しばらくプレーが止まった直後の1球。集中力を切らさなかった。

打撃では非凡なところを見せたが、リード面では反省が残った。「10失点は、捕手として見直さないといけません」と率直に受け止めた。6-6の8回2死二、三塁で、相手の4番正木に左前へ、決勝の2点適時打を打たれた。一塁は空いていた。谷口監督は「勝負するところじゃない。追い込んでバッテリーも欲が出た。捕手も若さが出たのかな」。課題と収穫、ともに残った全国大会だった。